2005年に2200万人以上を動員した愛知万博「愛・地球博」をはじめ、国際芸術祭「あいち」、「あいち国際女性映画祭」、「世界コスプレサミット」などの文化事業を継続してきた愛知県。ジャンルや表現方法を超えた最先端のアニメーション作品が世界各国から集結する、世界有数の規模となる映画祭が、名古屋で誕生。
市内のミッドランドスクエア シネマ、１０９シネマズ名古屋をはじめとした施設での作品上映だけでなく、アニメーション業界最高の栄誉「アニー賞」との日本初のコラボレーションや、第1回国際コンペティション参加作品の決定、新しい才能の発掘に目を向け世界に放つ作品を創出するための企画マーケットの開催など、様々な企画やプログラムが目白押しだ。
上映ラインナップが発表された「ニューウェーブ部門」では、激しい潮流のなかにあるアニメーション作品から「その流れを代表する作品」と期待する国内外の作品を、アーティスティック・ディレクターの数土直志がピックアップ。
「機動警察パトレイバー」シリーズの原点となる「機動警察パトレイバー アーリーデイズ」や、日本にルーツを持つ日系ブラジル人の少年が家族の歴史をたどっていく『Eu e Meu Avô Nihonjin』。ポケモンカードとの出会いによって成長していく少女の姿を描く「PATH TO THE PEAK 頂へのきずな」、1989年版「おぼっちゃまくん」の続編を脚本は日本で、アニメーションはインドで制作した「おぼっちゃまくん」など、注目作品が結集している。
またANIAFFでは、アニメーション文化の発展を目指すための事業のひとつとして、個人賞、スタジオ賞の顕彰を実施。記念すべき第1回の個人賞には、『ひゃくえむ。』の監督を務めたほか、『無名の人生』もプロデュースし、常に新たな表現に取り組む岩井澤健治監督と、「ダンダダン」「ルックバック」「ジョジョの奇妙な冒険シリーズ」「BLUE GIANT」など多くのアニメ作品において編集を担当してきた廣瀬清志氏を選出。そして、スタジオ賞には『さよならの朝に約束の花をかざろう』や「花咲くいろは」などで地域の発信・活性化としても大きな業績を残してきたP.A.WORKSが選出された。
さらに映画祭の開催期間中には、ANIAFFでしか手に入らない限定グッズの発売も決定。映画祭のオフィシャルグッズや、本映画祭に合わせて制作された「機動警察パトレイバー アーリーデイズ」の限定グッズなどが新たに販売される。販売期間は、ミッドランドスクエア シネマでは映画祭の期間中、１０９シネマズ名古屋では映画祭スタートから12月31日までとなっている。
本映画祭のチケットは公式サイトにて好評発売中。「クリエイター・ファースト」の視点から多くの作品をグローバルに発信することで、注目を集める新たなアニメーション映画祭の開催を、期待して待とう。
文/MOVIE WALKER PRESS編集部