・日本人にも広がる中国文化
さて、ここまではインバウンド客から見た難波の街について書かせてもらったが、最後に日本人から人気を集めている中国の文化についても触れてみようと思う。
まずは若者を中心にブームとなっている麻辣湯。
難波にも何店舗か新しい店がオープンしており、何を隠そう筆者自身も大好き。この日は『楊国福(ヤン・グオフー)』という中国のチェーン店でランチを食べることにした。
店外の行列まではできていなかったが、店内は常に満席状態。そしてスタッフが全員中国人であるのに対して、お客さんは全員日本人女性という点が意外だった。
自分で好きな具材を選び、100gあたり400円で量り売りするというセルフスタイルが面白い。練り物・肉・野菜・春雨などを選んで税込1470円を支払った。
出来上がった筆者の麻辣湯がこちら。
スープは辛さ控えめでコクがあり、後味にほんのり残る花椒の痺れもほどよい。まさに本場の味って感じで文句ナシに美味しい!
本当はスタッフさんにも話を聞きたかったのだが、あまりに忙しそうだったので遠慮してしまった。
次々と訪れるお客さんに対応してレジを打ち、その合間に配膳をして片付け、時には売り切れた具材を補充する。決して愛想はよくないが、その無駄のない動きや真面目な働きぶりは見ていて心地よいほどだった。
さらに、もうひとつ。最近世界中で人気を集めている中国発のものといえば『POP MART(ポップマート)』の商品である。
「なにそれ?」と思った方でも、『ラブブ』という名前なら聞いたことがあるんじゃないだろうか。
この日のポップマート大阪なんば店は朝から抽選による入場制限があり、途中から(おそらく人気商品が売り切れたあと)は自由入場となっていた。
せっかくなので、筆者自身もぬいぐるみペンダントをひとつ購入。
まさか実店舗に入れるとは思っていなかったため、大満足の買い物となった。
「もうブームは終わり」という声も聞かれるラブブだが、1万円以上するフィギュアを躊躇なく買う人がいたり、店内に置かれたディスプレイフィギュアと記念撮影する人がいたりと人気は健在。中には転売目的のバイヤーもいるのかもしれないが、全員がそうとは思いにくいほどの人気ぶりだった。
・平和的な解決を願う!
──以上、筆者が目撃した大阪・難波の様子でした。
まとめると、「インバウンド観光客は多いが中国人は少なそう」「ドラッグストアやブランドショップが不人気で心配」「中国発祥の文化も根付いている」といった感じだ。
ここまで京都・奈良・大阪と街の様子を見てきたが、どこも少なからず日中関係の影響を受けている模様。難波は特に、買い物客が減るという痛手を負っているように見えた。
日本にとって、インバウンド観光客の経済効果は もはやなくてはならない存在。多すぎて地元住民を圧迫しては困るが、少なすぎても経済的なダメージを受けてしまう。
日中関係が落ち着くまでにどれぐらいかかるのかはわからないが、なるべく早く、双方にとって損のない形で平和的に落ちついてくれると嬉しい。
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.
