画像は『101回目のプロポーズ』ビジュアル (C)フジテレビ
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101回プロポーズする話ではありましぇん！
続編ドラマの制作決定を受けて、1991年放送の月9ドラマ『101回目のプロポーズ』が改めて注目を集めています。本作は、建設会社に勤める冴えないサラリーマン「星野達郎（演：武田鉄矢）」と、美しきチェロ奏者「矢吹薫（演：浅野温子）」が織り成す純愛ラブストーリーです。ひとりの女性を一途に愛する達郎の姿が話題を呼び、最高視聴率36.7％を記録する大ヒットとなりました。
ど真ん中世代にとっては語るまでもない不朽の名作ですが、ドラマをリアルタイムで観ていない平成＆令和世代にとっては、内容を詳しく知る機会は少ないかもしれません。なかにはタイトルやイメージに引っ張られて、実際の内容を誤解している人も少なくないでしょう。
武田鉄矢のプロポーズは2回だけ？
例えば『101回目のプロポーズ』というタイトルから、「主人公がひとりの女性に何回もプロポーズし、101回目でようやくOKをもらえる話」だと思っていませんか？
実はタイトルが示す「101回」のうち99回は、主人公の達郎が過去に失敗してきたお見合いの数です。冴えない見た目で女性に振られ続けた達郎は、100回目のお見合いでヒロインである薫と出会い、運命の恋に落ちます。つまり達郎が薫にプロポーズした回数は、タイトルの数字ほど多くありません。
ちなみに「僕は死にましぇん」のセリフで知られる名シーンは、101回目ではなく、100回目のプロポーズです。「あれでハッピーエンドじゃないの？」と疑問に思う人も多いと思いますが、実はこの場面についても多くの人が誤解している意外な事実があります。
「僕は死にましぇん！」は最終回じゃない
ヒロインの薫は過去に婚約者を亡くした経験から、「人を好きになってもまた失うのが怖い」と結婚に踏み出せずにいました。それを聞いた達郎は、自ら走行中のダンプカーの前に飛び出し、命懸けで告白します。
「僕は死にません！ 僕は死にません！」
「あなたが好きだから、僕は死にません！」
「僕が幸せにしますから！」
達郎の決死のプロポーズは武田鉄矢さんの熱演も相まって、いまなお語り継がれる名シーンとなりました。TV番組などでもたびたび取り上げられるため、最終回のクライマックスと勘違いされがちですが、実際に登場するのは物語中盤の第6話です。ネット上でも「最終話じゃなくて6話ラストに出てくるの衝撃！」「あのシーンは絶対に最終回用だろ」などと驚きの声があがっていました。
じゃあ最終回は？
第6話のプロポーズを経てふたりは婚約するものの、実はここから思わぬ展開が待っていました。薫は元婚約者にそっくりの男性「藤井克巳（演：長谷川初範）」と出会い、心惹かれて、達郎との婚約を一度破棄してしまうのです。しかもその男は、のちに達郎の上司となる人物でした。
しかし最終話では、薫が元婚約者と藤井が「別人」であることをはっきりと自覚します。過去と藤井の両方と決別し、ウエディングドレス姿で達郎のもとに駆け付けます。一方で達郎には職も貯金も、薫のために買った婚約指輪すら残されていません。「僕にはもう何もありません」と告げる達郎ですが、それでも薫は地面に落ちていたナットを指輪代わりにはめ、永遠の愛を誓うのでした。
このラストも「僕は死にましぇん」に負けず劣らずの名シーンで、90年代を彩ったドラマの魅力がいまなお色褪せないことを実感させてくれます。続編ドラマ『102回目のプロポーズ』の制作が決まったいまこそ、改めて達郎と薫の恋物語に心を震わせてみてはいかがでしょうか？