TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、2026年シーズンよりハースF1チームのタイトルパートナーに就任することを発表。これに際し、トヨタ自動車の会長である豊田章男氏もコメントを寄せた。
2009年を最後にF1から撤退したトヨタ。しかし2024年秋にはTGRとハースがパートナーシップを締結し、TGRロゴをマシンに掲出するだけでなく、トヨタドライバーのF1テストドライブをはじめとする様々な人材交流が行なわれてきた。
そして2026年からはその関係がさらに強化され、両者は“タイトルパートナー”という間柄に。これに伴いハースのチーム正式名称は来季から『TGRハースF1チーム』となる。TGRは当初より掲げている、クルマづくりに欠かせない「People(人材)」「Pipeline(データ解析・活用)」「Product(車両開発)」の三要素において、ハースと連携を強めていくとしている。
この発表においては、豊田会長自らコメントを寄せた。豊田会長はかねてより、自分はトヨタF1撤退を決断した人間であるとして、「F1撤退の決断は間違っていなかった」としつつも、「普通のクルマ好きおじさんとして、日本の若者が一番速いクルマに乗る道筋を閉ざしてしまっていたことを、心のどこかでずっと悔やんでいたのだと思う」と話していた。
昨年秋の提携発表の際には“トヨタF1復帰ではない”と強調していた豊田会長だが、今年夏に富士スピードウェイで行なわれたハースの旧車テストの際には、ハースの小松礼雄代表が「今はハースとトヨタで、チームの文化を作っている途中なんです。一緒にチームを作っているんです」と話すなど、ハースとトヨタが一枚岩でF1プロジェクトに取り組んでいることをうかがわせていた。そして今回の豊田会長のコメントにも、それが顕著に表れていると言える。
豊田会長は以下のようにコメントした。
「2025年の挑戦をともに過ごし、TGRの若いドライバーやエンジニアが自分の可能性を信じ、さらに大きな夢へ向かって走り出している姿を見て、私は改めて心が動かされました。そして今、はっきりと感じています。—トヨタは、ついに本気で動き出した」
「小松代表には、TGRの若い仲間たちの可能性を信じ、同じ目線で、同じ情熱で、未来に向き合ってくれたことに心から感謝しています。小松代表とは、『モータースポーツを日本の文化に育てたい』『その文化を支える“チームの文化”を共につくりたい』という思いを強く共有できています」
「来年、ハースとの提携をさらに前へ進めることで、TGRの3P(People・Product・Pipeline)は、これまでとは違う速度で動き出します。若い世代が世界へ続く階段を登り始める――そんな未来を、いよいよ現実にする時が来ました。モータースポーツを愛し、夢を抱き、それを自分の手でつかみにいける日本をつくるために。ジーンさん、小松さん、ハースの皆さんと共に、“文化”と“チーム”を創る挑戦を、ここから本気で進めていきます」
「トヨタも、いよいよ走り始めました」

