『初代タイガーマスク ストロングスタイルVol.37-THE 20th ANNIVERSARY-』後楽園ホール(2025年12月4日)
○藤田和之&ケンドー・カシンvs永田裕志&間下隼人×
永田が藤田と久々に遭遇。大きな刺激を体感した。一方、大暴走したカシンは「大仁田厚が足りなかった」とぼやいた。
永田が昨年の9月大会以来、1年2ヵ月ぶりにストロングスタイルプロレスに参戦。前回は対戦した所属の間下とタッグを組み、縁の深い藤田&カシンと激突した。永田にとって藤田はデビュー戦の相手を務めた後輩で、かつてIWGPヘビー級王座をかけて激闘を繰り広げた。カシンは1992年デビューの同期。かつて新日本でチームJAPANを結成した因縁の3人に間下が加わる形となった。
この試合に向けて、カシンは「この試合は現時点で現役最後の試合となる」と明かし(その後、GLEAT12・6新木場大会への参戦が決定)、「そこで平井代表、あなたの歌をもう一度聴きたい。『壊れかけのRadio』を最後にもう一度聴きたい…」と要求。平井代表は拒否の姿勢を見せていた。
試合冒頭、藤田&カシンとともに現れた木原文人リングアナは「闘魂ストロングスタイルプロレス専属リングアナ」を名乗ってマイクをジャック。和田良覚レフェリーを「和田京平」とコールするなどして暴走する。怒った永田が木原アナをボディスラムで制裁すると、そのまま場外乱闘になだれ込んだ。
思わぬ幕開けとなると、永田はカシン制裁に動くが、逆にカシンのラフファイトに捕まってしまう。ここでようやく永田と藤田が対峙すると、一転してエルボー合戦で火花。真っ向勝負で気持ちをぶつけ合った。代わって間下がリングインすると、藤田はパワーで、カシンはインサイドワークで圧倒。藤田は逆エビ固めで絞め上げた。永田がミドルキックでカットに入ると、間下にゲキを飛ばす。すると間下は意地のブレーンバスターで反撃に成功した。
タッチをもらった永田は控えの藤田をフロントハイキックで蹴散らすと、カシンにミドルキックを連打。エクスプロイダーもさく裂する。カシンはチョーク攻撃で暴走。和田レフェリーが強引に引き離そうとするが、永田がフロントハイキックをカシンに浴びせると、和田レフェリーごとまとめて蹴り倒してしまった。永田のエルボードロップも避けられて和田レフェリーに誤爆してしまう。
レフェリー不在になっても気にせず、永田はカシンに猛攻。腕固めに捕らえて白目が降臨すると、間下も同時に藤田を腕固めで絞め上げる。カシンはギブアップしたものの、レフェリー不在のため試合は続行に。永田は雪崩式エクスプロイダーでカシンに追撃。藤田はカットに入ると、強引にカシンとスイッチする。永田も間下と代わった。
2人はショルダータックルで正面衝突し、エルボー合戦で火花。間下は豪快なバックドロップで歓声を呼び込み、ロケットキックで顔面を射抜くと、フィッシャーマンズスープレックスで攻め立てるが、野獣は沈まず。続くラリアットを相打ちに持ち込んだ藤田はチョークスラムで投げ捨てると、強烈な顔面蹴りを連発して3カウントを奪った。
試合が決して間下が大の字になったあとも、永田とカシンは場外で大乱闘。再会マッチは大荒れのまま終了となった。
藤田と久々の遭遇を果たした永田は「やっぱり電流が体に走るというか、やり甲斐がありますよね。スイッチが入りますよね。触れた瞬間、いいエルボーを食らいましたよ。ストンピングもしつこく。こういう刺激はいいっすね。最初はちょっと眠っている体が徐々に起こされている自分がわかったんで」と野獣に刺激を受けた様子。「久しぶりの試合だったんで、眠っているものが蘇ってきて。こういう刺激があるから、やっぱり他団体はいいですね」と他団体での戦いを満喫できたようだった。
一方、カシンは週刊ゴングの記事をプリントしたTシャツを着て試合に臨んでいたが、「これは“東金の少年"が昔投稿した文章です」と暴露。大仁田に対する熱い思いを投稿していたことをほのめかし、「何か1つ足りないよ。ピースがもう1つ。その答え合わせをするために今回来たのに、1つ足りない。それはなんだ? 大仁田さんだよ、大仁田さん。大仁田厚が足りなかった。これさえ揃えば、俺の答え合わせはすべて叶ったんだよなあ」とぼやいていた。
【試合後の藤田&カシン】
――久々に永田選手と対戦したが?
▼カシン「何か1つ足りないよ。ピースがもう1つ。その答え合わせをするために今回来たのに、1つ足りない。それはなんだ? 大仁田さんだよ、大仁田さん。大仁田厚が足りなかった。これさえ揃えば、俺の答え合わせはすべて叶ったんだよなあ。そうじゃないのか? そうだろ? そうじゃないのか? (記事をプリントしたTシャツを記者団に見せつけると)これは東金の少年が昔投稿した文章です。それ以上は聞かないでくれ」
――それで大仁田さんだと?
▼カシン「そう。それで完璧に揃うはずだった。それを平井代表が。平井代表も変わっちまったんだな。なんであんな変わったんだろう? 昔は『歌え』って言ったら歌ってたのに。どうしたんですか? 新間さんがいなくなったからですか? 本当残念です。(藤田に)なんか言えよ」
▼藤田「ええ? いや、全部言ってくれたよ。全部言ってくれた。もうすべて」
――藤田選手は永田選手と久々に対戦したが、どうだった?
▼藤田「そうですね、久々ですね。すごい久々」
▼カシン「なんで新日本がこれをOKしたのか。それが不思議でならない。もう永田裕志はいらないってことなの? 新日本で。じゃなければ、許可するはずはない」
▼藤田「スイッチ入ったよ。あとは?」
▼カシン「そうじゃないのか。来年で終わりなのか。どうなんですか、皆さん? そこの答え合わせも必要ですね。以上です」
【試合後の永田&間下】
▼間下「すいません」
▼永田「反則だよな」
▼間下「すいません」
▼永田「どうもありがとう」
▼間下「ありがとうございました」
▼永田「体でっかいね」
▼間下「いや、まだでもデカいだけなので」
▼永田「藤田和之にもひけを取らないデカさだよ。力負けしてなかったと思うけど」
▼間下「いや、やっぱりすごい方3人なんで。僕は小中高と素人の時から見ていて、今もなお強い方々なんで。今日はちょっと早いクリスマスなのかなと思ったんですけど」
▼永田「でも、頑張ったよ」
▼間下「ありがとうございます」
▼永田「藤田相手にパワー負けしてなかったよ」
▼間下「永田さん、もう一丁お願いします」
▼永田「よろしく。頑張って」
▼間下「ありがとうございました」
――藤田選手と真っ向勝負でぶつかっていたが?
▼永田「やっぱり電流が体に走るというか、やり甲斐がありますよね。スイッチが入りますよね。触れた瞬間、いいエルボーを食らいましたよ。ストンピングもしつこく。こういう刺激はいいっすね。最初はちょっと眠っている体が徐々に起こされている自分がわかったんで。まあ、最初はいろんなことを想定しましたけど、ケンドー・カシン、悪魔仮面が奇想天外なことをやってくるかなと思ったんですけど、特に大それたこともなく。まあ、木原さんがああだこうだ言ってきたのはあるんですけど。だから、逆にやり甲斐がありましたね。戦ってみて、スイッチがより入ったなと。久しぶりの試合だったんで、眠っているものが蘇ってきて。こういう刺激があるから、やっぱり他団体はいいですね」
――機会があれば継続参戦も?
▼永田「呼んでいただるならば、ありがたく受けさせていただきます。今日はお客さんも僕が参戦した中で一番入ったんじゃないですか、後楽園は。売り切れだって聞いてましたし、いろんな期待があったでしょうけど。お客様の年齢層も高いですよね。我々の世代なり、佐山先生の世代を見たファンの方々がたくさんいらっしゃって、ここの固定客として。超満員の中、後楽園でやるのは気持ちいいですね。眠っている体が徐々に試合で段々ヒートアップしてきたというか。そういうのを感じたので、よかったです、今日は参戦して」

