『初代タイガーマスク ストロングスタイルVol.37-THE 20th ANNIVERSARY-』後楽園ホール(2025年12月4日)
○船木誠勝&デイビーボーイ・スミスJr.vs関根“シュレック”秀樹&黒潮TOKYOジャパン×
船木がレジェンド王者・黒潮に雪辱を果たし、タイトルを懸けての再戦を要求。シュレックも裏切りを見せて黒潮に掴みかかり、改めて挑戦をアピールした。
黒潮は9・11後楽園大会でレジェンド王者・船木に挑戦。船木の右肩負傷によるアクシデントでのレフェリーストップ勝ちでタイトル奪取を果たした。その後、シュレックが挑戦に名乗りを上げたものの、黒潮は拒否。それを受けて、今大会では黒潮とシュレックのタッグが実現し、前王者・船木&スミスの強力コンビと対戦することになった。
いつものようにアンコールを含めて入場テーマを目一杯使い、場内を走り回った黒潮は、師匠であり、元王者の船木を前にしてもコーナーで倒立するなどしてアピールを続け、「チャンピオン」コールを巻き起こした。いざ船木といきなり対峙しても、トリッキーな動きを連発。横に回転し、ジャケットを見せつけて挑発するが、船木は表情を変えずに前に出る。黒潮はビビったのか場外に退避。リングに戻ったところで、船木はスキを突いてグラウンドヘッドロックに捕獲すると、掌底を連発して制裁した。
さらに、ショルダータックルやミドルキックで打ち倒すも、黒潮はそのたびにネックスプリングで立ち上がってみせる。ここでも船木は表情を変えずににらみつけると、黒潮はそのまま後ずさり。会場を逃げ惑うと、船木もそれを追いかける。リングサイドに戻ってきたところで、控えのスミスが足止めすると、タッチをもらい、黒潮を連続してぶん投げる。船木も鋭い打撃を立て続けに浴びせ、黒潮を一方的に攻め込んだ。
大ピンチを迎えた黒潮はスミスにハリウッドスタープレスを落としてなんとか反撃に成功。あとを受けたシュレックが荒々しい攻撃で試合を立て直す。船木にハイブリッドブラスターを狙われても強引にぶん投げ、アイアンクローに捕らえると、「絶対勝つぞ」と叫んだ黒潮がタッチをもらってリングイン。場内を煽ると、トラースキックを放つが、避けられてシュレックに誤爆した。
すかさず船木とスミスが黒潮にまたも集中砲火。連続串刺し攻撃からスミスがパワースラムを繰り出す。シュレックが急行して割って入ると、息を吹き返した黒潮が船木を羽交い締めに固める。すかさずシュレックがラリアットの構えに。船木が避けると、シュレックは一旦ストップしたものの、裏切ってラリアットをズバリ。船木がすかさずハイブリッドブラスターで突き刺して、黒潮から3カウントを奪った。
船木が黒潮に雪辱。ベルトを腰に巻くジェスチャーで再戦を迫る。さらに、裏切りを見せたシュレックも黒潮に掴みかかって改めて挑戦を要求。黒潮は2026年に向けて、2人の挑戦者が浮上する形となった。
試合後、シュレックは「誤爆もあったんだけど、最後船木さんに避けられた時に、まあいいかっていうのもちょっとあったね。あいつがチャンピオンだから、実質俺が倒したみたいなもんだから。俺が挑戦者でいいでしょ?」と主張。黒潮もそれを受けて、船木のコメント中に乱入し、「次の興行で船木さんと戦うのかなと思ったんだけど、すいません。もう少し先になりそうです」と先にシュレック迎撃を示唆した。ベルト奪回を見据える船木はそれを聞くと、自分と戦う前に黒潮に5番勝負をするよう逆に要求。2026年に向けて、レジェンド王座戦線は混迷の色を深めた。
【試合後の船木、黒潮】
――レジェンド王者・黒潮選手からピンフォールを獲ったが?
▼船木「獲るのは比較的簡単なんですけど、やっぱりペースを崩されるのがあいつの持ち味というか。今日も逃げ回ったのを追いかけちゃったんで、結構あれで変なスタミナ消耗しちゃいますからね。そういう意味でだと、まやかし。まやかしに乗らなければ勝てる。だけど、あいつのまやかしは結構引っかかります。お客さんを引き入れてやってるんで。お客さんが全てなんですけど、これは選ぶの難しいところなんですけど、自分が獲るんであれば、お客さんを無視した試合をするしかないなと思いましたね。ホントに30超えて立派なレスラーになりましたよ。もう一回やりたいです」
※黒潮がやってきて
▼黒潮「船木さん! ちょっと俺、戦えば戦うほど船木さんメチャ怖いんですけど、前回の試合で船木さんがケガして俺が勝って、久しぶりに、いつになるかわからないけど、船木さんと真剣勝負しなきゃいけないんだなって日が来ると思ってました。で、今日がそうなのかなと思ってた。違かった。そんで次の興行で船木さんと戦うのかなと思ったんだけど、すいません。もう少し先になりそうです」
▼船木「いつやる?」
▼黒潮「シュレックがこれに挑戦したいみたいなんで」
▼船木「次は違うヤツで。試練の5番勝負。君に試練の5番勝負」
▼黒潮「いいですね。面白そうですね。俺は5人抜いてやるよ。このベルト。で…(船木が控室へ向かうと)船木さん!(と追いかける)」
【シュレックの話】「今日負けちゃったけど、あいつふざけやがって、ストロングスタイルで。まあ、誤爆もあったんだけど、最後船木さんに避けられた時に、まあいいかっていうのもちょっとあったね。あいつがチャンピオンだから、実質俺が倒したみたいなもんだから。俺が挑戦者でいいでしょ? 次、いつになるかわからないけど、次のタイトルマッチ待ってるんで。ストロングスタイル、試合を組んでくれ」

