11月26日朝、昇進を伝える日本相撲協会からの使者を迎えた安青錦は「大関の名に恥じぬよう、またさらに上を目指して精進いたします」と口上を述べ、もう一つ上の横綱に猛アタックしていくことを誓った。
「この21歳の若者ならきっとやる。時間の問題だ」というのが協会関係者の一致した見方。何しろいまだ戦火が収まらないウクライナ出身で、両親は母国を離れてドイツに疎開中という、平和慣れした日本人とはまったく違った境遇を背負っているからだ。
「身長182センチ、体重140キロと決して大きくないですが、安青錦の心技体の心の部分はズバ抜けています。まさに1日中、相撲漬け。トイレに入っているときも、携帯で過去の研究をしているそうですから。
これじゃ、豊昇龍が敵うワケがない。二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)はスポーツ紙のコラムで『力の差すら感じてしまった』と書いていました。
対安青錦に3戦全敗の豊昇龍はよほど腹を括って対応策を研究しないと、これからも餌食になり続けるでしょう。大の里との大青時代の到来は目の前です」(大相撲担当記者)
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新大関の弱点はアゴ?
ただし、弱点はある。
九州場所で3敗したうちの2敗は義ノ富士、大の里の立ち合い、一気に前に出て来る馬力相撲にヤラれたものだった。つまり、低い体勢で決してアゴを上げないというのが安青錦の特徴だが、そのアゴが上がると意外にもろいことがはっきりした。
まだデビューして間もないため、安青錦の攻略方法は進んでいないが、これから急ピッチで研究される。
「同時にケガが怖い。体が小さいので、ケガをすると影響は大きい。いかにケガを回避するか、というのも今後のポイントになる」(一門関係者)
11月30日から冬巡業が始まった。豊昇龍をはじめ、力士たちの意味ありげな視線の中で、新ヒーローがどう振る舞うのかも注目だ。
「週刊実話」12月18・25日号より
