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【立ち食いそば放浪記373】JR中央線本線に隠された秘密 / 立川名物として知られる「おでんそば」は、奥地に行くと強くなる

【立ち食いそば放浪記373】JR中央線本線に隠された秘密 / 立川名物として知られる「おでんそば」は、奥地に行くと強くなる

・個性のぶつかり合い

試しに辛子をつけてみたところ、おでんみが増して体が温まる味になった。おでんとそばがそれぞれの存在感を発揮して並列に肩を並べている。ロックバンドみたいだ。

そして、ロックバンドみたいになっている一因はおでんのガチ感だろう。各メンバーがそれぞれの強みを突き詰めることにより方向性がブレる。これはロックバンドによくあるジレンマだ。ゆえに、バンドは解散する。

・破滅に向かうおでんそば

このおでんそばは解散が近いのかもしれない。だが、20年くらいライブハウスでバンド活動を続けている私は解散も美しさの1つだと思う。バンドは解散するものであり、解散するからこそ美しいのだ。ちなみに期間限定メニューである。

破滅に向かうおでん&そば。それも上等と言わんばかりに期間限定。そんなパンクなおでんそばに出会ったのは甲府駅前にある駅そばチェーン『丸政 甲府北口店』である。

都民からすると高尾に壁があるように感じるJR中央線本線。その奥には立川名物以上のおでんそばが潜んでいた。進むとおでんそばが強くなる──。中央線本線の真実を確認し、私は新宿行きに鉄道に乗ったのであった。

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