年末年始の糖尿病予防対策

忘年会・新年会での実践的対策
完全な食事制限は現実的ではありませんが、以下の工夫でリスクを大幅に軽減できます。
食べる順番を意識する:最初に野菜やキノコ類などの食物繊維を摂取し、次にタンパク質(肉・魚)、最後に炭水化物の順番で食べることで、血糖値の急上昇を防げます。
炭水化物の量をコントロール:ご飯、麺類、パンなどの主食は、普段の半分から2/3程度に減らしましょう。代わりに野菜や海藻、豆腐などで満腹感を得ることを意識します。
お酒の選び方と飲み方:ビールや日本酒、甘いカクテルは糖質が多いため、焼酎、ウイスキー、ワイン(辛口)などの糖質の少ないお酒を選びましょう。また、飲酒前に軽く食事を摂り、空腹での飲酒を避けることが重要です。
寒い季節でも継続できる運動習慣
糖尿病予防には、週に150分以上の中強度運動が推奨されています。
室内でできる運動:スクワット、踏み台昇降、ラジオ体操など、天候に左右されない室内運動を習慣化しましょう。食後30分〜1時間後の運動が、血糖値低下に最も効果的です。
通勤時の工夫:エレベーターではなく階段を使う、一駅分歩く、駅構内では早歩きするなど、日常生活に運動を組み込みます。
ウォーキングの継続:寒さ対策をしっかり行い、日中の暖かい時間帯に30分程度のウォーキングを続けましょう。毎日少しずつ継続する方が血糖コントロールに効果的です。
ストレス管理と睡眠の質向上
年末の多忙期でも、睡眠時間は最低6時間、できれば7〜8時間確保しましょう。就寝前2〜3時間は食事を避け、スマートフォンやパソコンの使用を控えることで、睡眠の質が向上します。
年末年始の食材選びと調理法
おすすめの食材:白菜、大根、ほうれん草、きのこ類、海藻類、こんにゃく、豆腐、鶏肉、魚類など、低糖質で栄養価の高い食材を積極的に取り入れます。
調理法の工夫:煮物や鍋料理の味付けは、砂糖やみりんの量を通常の半分にし、だしや香味野菜で風味を補います。
おせち料理の注意点:黒豆や栗きんとんなどの甘い料理は少量にとどめ、昆布巻き、数の子、焼き魚など糖質の少ない料理を中心に楽しみましょう。
糖尿病は早期発見により、食事療法や運動療法だけでコントロールできる可能性が高まります。年末年始の食事を心から楽しみながらも、健康的な生活を維持するために、この機会にぜひ一度検査を受けていただくことをお勧めします。
取材協力:
四谷内科・内視鏡クリニック
https://www.yotsuya-naishikyo.com/
院長:高木 謙太郎
取材/文 石田あかね

