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【難読漢字よもやま話】「雹」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識

【難読漢字よもやま話】「雹」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識

「雹」なんて読む?

日常の中にひそむ、読めそうで読めないあの漢字。
でも、読み方や意味を知ると、ぐっとその言葉が好きになる。
今回は天気予報でも使われる言葉です。
この漢字、あなたは読めますか?
さて、正解は…

難読漢字よもやま話】アーカイブ

正解は「ひょう」

【漢字の由来と語源】
「雹(ひょう)」という言葉は、古日本語に由来し、中国由来の漢字「雹」が当てられたものです。古くは『日本書紀』(8世紀)などに登場し、気象現象を指す言葉として使われていました。

語源的には、擬音語や擬態語から来ている可能性があり、「ひょうひょう」と音を立てて降る様子を表す説がありますが、確定的な語源は不明です。

また、「雹」は前述した通り中国起源の漢字で、古代中国の甲骨文や金文まで遡ることができます。漢字の構造を分解すると「雨」(あめかんむり)は雨や天候を表す部首で、雹が空から降る気象現象であることを示しています。雨の象形文字が基になっており、雲から落ちる水滴を表しています。

ちなみに、雹(ひょう)とは積乱雲の中で形成される直径5ミリメートル以上の氷の塊(固形の降水粒子)のことです。直径5ミリメートル未満のものは霰(あられ)と呼ばれ、大きさによって区別されます。

【ひょうに関する豆知識】
●積乱雲が「製造工場」
雹は、強い上昇気流を持つ発達した積乱雲の中で作られます。小さな氷の粒が上昇気流で何度も持ち上げられ、過冷却水滴をまとって凍結を繰り返すことで大きくなります。

●玉ねぎのような層構造
雹を割ると、透明な氷の層と不透明な氷の層が交互に重なっていることがよくあります。これは、成長過程で凍結する速度や含まれる空気の量、水分の取り込み方が異なるためにできるものです。

●世界最大の雹の記録
公式に記録された世界最大の雹は、2010年にアメリカのサウスダコタ州で発見されたもので、直径は約20センチ、重さは約880グラムもありました。

●恐ろしい落下速度
大きな雹は非常に重く、落下速度は時速100キロを超えることもあります。このため、人や動物に直撃すると重傷を負わせる可能性があり、農作物や自動車、家屋にも甚大な被害をもたらします。

雹には直径20センチの世界最大のものも…

●日本での発生時期
日本では、春から夏にかけて、特に気温が上昇し積乱雲が発達しやすい時期に発生しやすいです。一般的に、昼過ぎから夕方にかけての、大気が不安定な時間帯に降りやすい傾向があります。

●「氷」が語源の説も
実は「ひょう」の語源には、「氷(こおり)」が転じて「こおり→ひょおり→ひょう」となったという説もあります。漢字の「雹」は、「雨」と「包」から成り、「雨に包まれた氷の粒」を意味するとされています。

●農作物の大敵
雹は短時間で広範囲にわたる農作物に壊滅的な被害を与えることがあります。ブドウやリンゴなどの果樹栽培地域では、「防雹ネット」を設置して作物を保護する対策がとられています。

●飛行機にも危険な存在
飛行中の航空機が雹に遭遇すると、機体の外板や窓ガラスに大きな損傷を受けることがあります。このため、気象レーダーで雹の発生域を監視し、可能な限り回避するように飛行ルートが調整されます。

●雲の種まきで雹を減らす試み
歴史的には人工的に雨を降らせる「雲の種まき(クラウドシーディング)」技術が、雹の生成を抑えたり、雹を小さくして降らせたりする目的で研究・実施されたこともあります。しかし、その効果については議論が続いています。

配信元: 週刊実話WEB

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