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球界OB、元巨人3軍監督が明かした“育成現場の実情”に激怒 「そんなこと気にするから弱ぇんだよ」

球界OB、元巨人3軍監督が明かした“育成現場の実情”に激怒 「そんなこと気にするから弱ぇんだよ」

読売ジャイアンツ・読売巨人軍Photo:sirabee編集部

元読売ジャイアンツの岡崎郁氏が12月4日、自身のYouTubeチャンネル『アスリートアカデミア』に出演。ゲストの前巨人3軍監督・駒田徳広氏が明かした「巨人3軍育成の現状」に怒りの声を挙げた。

【今回の動画】岡崎氏が駒田氏の語る育成の実情に怒り

■駒田氏が育成の現場を語る

4年間巨人の3軍監督を務め、今オフ退任した駒田氏が現場で感じた葛藤や指導の現状を語った今回の動画。

駒田氏が「育成にも声がかからなかったような高校生が大学や社会人に行って。大学で4年経ってドラフト1位候補ということもある。そこで思うのは、(その間に)『何を練習したのか』ということ」と語る。

続けて「うちの育成の子で、高校から入った子が4年経ってドラフト1位(レベル)とかになることって、ほぼないんですよ。プロのなかで1番良い飯を食べて、1番良いトレーニング施設を使って、1番いろんな環境が整っているのに、なんで大学生とかのほうがドラフト1位候補に育成されていくのか」と、3軍監督在任中に感じていた疑問を明かした。

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■岡崎氏も同調「やっぱりやってないから」

話を聞いた岡崎氏も2軍監督時代を振り返り「自分が育てた選手よりも高橋由伸氏や上原浩治氏、二岡智宏氏、阿部慎之助監督など大学から入ってくる選手のほうが力が上だった」と同調する。

自身の現役時代は高卒の主力が多く、大卒の選手は少なかったこと明かし、「昔は高卒が勝ってたのになんで今は大卒に負けるんだろうって思ったら、やっぱり練習の差だと思う」と指摘。

さらに「練習しすぎて疲弊してるんじゃないかという考えもあるし、どちらかわからないって人もいる。でも俺は、やっぱりやってないからだと思う。そこはやっぱりやらせないといけない。そこで生き残れるやつだけが残ればいい」と、練習不足が差になっているという見方を示した。

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■重い練習を課したいが「故障」も回避したい

現代の「指導の現場」を目の当たりにしている駒田氏は「練習不足」論に賛同したものの、「それでいいんだよっていうものを先に出したいんですけど、もし(肘や肩などを)壊してしまったら…」と、指揮官として複雑な心境を吐露。

岡崎氏が「壊したんじゃない。勝手に壊れたんです、その人が」とツッコミを入れるが、駒田氏は「でもね、我々としては壊してないと思ってる。だけどアマチュアの人たちから見たら、『あそこに入ったらみんな壊れて帰ってくる』となる」と実情を明かす。

話を聞いた岡崎氏は「そんなことを気にするから弱ぇんだよ、ジャイアンツは」と怒りをあらわにしていた。

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■育成から主力になった選手が少ない巨人

巨人の3軍は主に育成選手で構成され、独立リーグや社会人野球企業チーム、大学生などと試合を行いながら技術力を高め、支配下選手を目指していく。

かつては松本哲也氏や山口鉄也氏が目覚ましい活躍を見せ、タイトルも手にしたが、最近は支配下に昇格するケースはあるものの、レギュラーを掴んだ選手はほとんど出ていないのが実情だ。

育成選手はプロの一員になることができる、活躍すれば1軍に行けるという大きなメリットはあるが、その一方で安価な給料で働き短期間で解雇される側面がある。高校生の場合は大学という人生において重要なキャリアを捨てるというデメリットも指摘されている。

仮に巨人の育成選手が苛烈な練習で次々「壊れて」しまうと、以降、その学校や企業からドラフト1位クラスの選手が出た場合、「巨人はNG」と交渉を拒否されることもありうる。岡崎氏の主張は正しいと思われるが、駒田氏が感じたジレンマも理解できるものだった。

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【今回の動画】岡崎氏が駒田氏の語る育成の実情に怒り■執筆者プロフィール

佐藤俊治。Sirabeeには2015年11月から参画し、月40本程度プロ野球関連記事を執筆中。YouTubeで発信する野球評論家ウォッチャーでもある。野球は高校からメジャーまで年間50か所以上で現地観戦。プロ野球の贔屓チームはなく、どこのチームのファンでもない。「あの選手、あそこに行ったんだ」という目線で見守っている。

(文/Sirabee 編集部・佐藤 俊治
配信元: Sirabee

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