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『ばけばけ』49話で判明したフミ(池脇千鶴)の「太すぎる実家」にネット驚愕 なぜ頼らないのか、史実を見てみると

『ばけばけ』49話で判明したフミ(池脇千鶴)の「太すぎる実家」にネット驚愕 なぜ頼らないのか、史実を見てみると


池脇千鶴さん(2008年9月4日、時事通信フォト)

【画像】え、「美少女過ぎる」 コチラが朝ドラヒロインをするさらに前、17歳だったデビュー当時の池脇千鶴さんです

小泉セツの養母も、養女だった

 2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は1890年に来日し、『怪談』『知られぬ日本の面影』などの名作文学を残した小泉八雲さん(パトリック・ラフカディオ・ハーン)と、彼を支え、再話文学のもととなる数々の怪談を語った妻の小泉セツさんの生涯をモデルにした物語です。

 第49話では、幼い頃から主人公「松野トキ(演:高石あかり)」に怪談や化け物、神様などの話を聞かせていた養母「フミ(演:池脇千鶴)」が、「出雲大社の神官の娘」であることが明かされ話題になりました。なぜ彼女が目に見えない不思議なものの話に詳しいのか、納得がいった方も多いでしょう。

 実は『ばけばけ』公式サイトでは、最初からフミについて「出雲大社の上官の家で育ち、出雲の神々の物語や生霊・死霊の話、目に見えないモノの話に詳しく、トキにもよくお話を聞かせてあげる」とプロフィールが書かれていたのですが、これまで劇中で語られることはありませんでした。

 出雲大社は『ばけばけ』でもたびたび名前の出る「出雲の大社(おおやしろ)様」のことで、日本神話に登場する神々(国津神)のなかでも「主宰神」と呼ばれる、「大国主(オオクニヌシ)」が祀られている、日本最古の神社のひとつです。

 49話では、明治維新前の松野家が100石の禄を貰っていた武家だったことも語られており、放送後には「借金背負って没落する前の松野家は、神官の家系をお嫁さんにもらうほど良いお家柄だったのね」「なんで大社の神官の娘が司之介なんかとって思ったけど、おフミさんが祝言挙げた頃はまだ松野家もちゃんと上級武士だったからか」と、話題になっていました。

 フミのモデル・稲垣トミさんは、松江藩の北堀町に住んでいた原忠兵衛さんという武士の娘で、幼い頃に出雲大社の社家(世襲の神職の家柄)である高浜家の養女となったそうです。そこで、トミさんはさまざまな神話や怪談を聞いて育ったといいます。

 トミさんが養女のセツさんに話したのは、怪談のほか、出雲の神話や人びとの生活に根差した生霊、死霊の話、祈祷や神楽にまつわる話など多岐にわたりました。そのおかげで、セツさんは夫となったラフカディオ・ハーンさんに、再話文学の元ネタとなるさまざまな物語を語ることができたのです。

 ちなみに、SNSでは「神官の娘なら実家に生活面で頼れないのかな」といった声もありましたが、史実ではトミさんの実家の高浜家も明治になってから没落し、逆に稲垣家に身を寄せていたといいます。明治維新後に神職の人事権が国家に握られるようになって以降、高浜家は職禄を失い、現在の出雲市の一部にあたる杵築町にあった家を引き払って、1878年の春に一家8人で稲垣家にやってきたそうです。

 稲垣家と高浜家は、セツさんの養祖父にあたる万右衛門さんの姉・ツタさんが高浜家に嫁に行き、トミさんがセツさんの養父・金十郎さんに嫁いでいるという、二重の親戚関係にありました。当時、稲垣家も借金を背負っていましたが、無下にはできなかったのでしょう。

『ばけばけ』のフミの実家は、松野家を頼ってやってくるほど落ちぶれてはいないようですが、金銭的な支援を頼める状態ではないと思われます。

※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」

参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(著:長谷川洋二/潮出版社)

配信元: マグミクス

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