多くのアマチュアは自分自身でゲームの判定を下す『セルフジャッジ』でテニスの試合をしています。「自分で判定するなら簡単だ」と思うかもしれませんが、それは大間違い。いい加減な判定によってトラブルを起こすことが多々あるからです。
そうしたトラブルなしで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。そこでテニス四大大会の出場経験を持つ元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて解説してもらいました。
今回はトイレ問題です。寒い季節になるとトイレが近くなる方は少なくありません。例えば、お腹の具合が良くないので、試合中にトイレに行きたくなるかもしれません。こんな時は事前に審判や相手に申告しておけば大丈夫でしょうか。
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トイレには男子ダブルスでは1回、女子ダブルスでは2回、セットブレークで行くことができます。
ただしこれは3セットマッチの話。草大会などでは3セットマッチはほとんどありません。よって1セットなら「トイレットブレーク」も存在しないことになります。ゆえに急を要する場合はロービングアンパイア(セルフジャッジの試合会場を巡回している審判またはレフェリー)に伝えて行かせてもらうほかないでしょう。
トイレの不安があるのなら、試合前にレフェリーやロービングに「試合中にトイレに行きたくなるかもしれないが、その時はどうすればいいか」と確認すべきでしょう。
JTA(日本テニス協会)のルールブックは「3セットマッチでは」と書かれています。よって1セットマッチにおけるトイレットブレークの判断は大会側に委ねることになるでしょう。
個人的には緊急で1度くらいならば仕方がないかと思いますが、それが何度も相手を待たせてトイレに行くとなると問題です。そのような体調ならば、そもそも試合を控えたほうが良いでしょう。
トイレ問題はシニアプレーヤーにとっても気になる問題。そうした大会の主催者は、試合中のトイレ対応に関して試合要項に明記してくれるとよいなと思います。
なお、決められた回数以上にトイレに行ってはいけないというわけではありません。エンドチェンジの90秒やセットチェンジの120秒を使って用を済ませ、時間内に戻って来れば大丈夫です。戻れなければ、警告からポイント・ゲームペナルティと時間の経過とともにコードバイオレーション「不当なゲームの遅延」と処分も厳しくなります。
解説●岡川恵美子
17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラム(四大大会)では、全豪オープン3回戦進出をはじめ、全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF公認審判員、JTA公認審判員も務める。日本テニス協会理事。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2025年4月号より抜粋・再編集
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