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「“ルカ・マジック”だ」日本バスケ界の次世代PG、テーブス流河が強豪相手に躍動!大学最高峰NCAAで「自信になる」パフォーマンス<DUNKSHOOT>

「“ルカ・マジック”だ」日本バスケ界の次世代PG、テーブス流河が強豪相手に躍動!大学最高峰NCAAで「自信になる」パフォーマンス<DUNKSHOOT>

「“ルカ・マジック”がコンテにやってきた!」

 NBAのスーパースター、ルカ・ドンチッチが大活躍した時に使われる謳い文句が、12月3日の夜はテーブス流河(るか)のものとなった。

 ボストン・カレッジがホームのコンテ・フォーラムにルイジアナ州大(LSU)を迎えた一戦。テーブスが3ポイントを決めた際、実況アナウンサーはそう叫んだ。この試合を見たファン、関係者は誰も大袈裟だとは思わなかっただろう。

 この日、テーブスは27分15秒のプレータイムでチーム最多の14得点(フィールドゴール6/11、3ポイント2/4)、4リバウンド、2アシストをマーク。特に後半だけで12得点をあげ、ハーフタイムの時点では11点のビハインドを負っていたボストン・カレッジが一時逆転する原動力となった。

 残念ながらチームは終盤のリードを守り切れず、延長の末69-78で敗れたが、過去にピート・マラビッチ、シャキール・オニール、ベン・シモンズといった大物NBAプレーヤーを輩出し、今季は開幕から7戦全勝中のLSUを撃破する目前まで迫った。
  テーブスは最終的にプレータイム、得点、リバウンド、フィールドゴール成功数ですべてキャリアハイ(得点は最多タイ)を記録。途中出場から地元アリーナを沸かせ、試合後は今季初めて全体会見に登場した際には「負けてしまったので、個人のスタッツは意味ない」と悔しさを滲ませたが、それでもやはり手応えは感じたようではあった。

「今季ここまでで一番の強豪との対戦だった。スケジュールをマルで囲んでいた試合でした。そういった相手でも、自分はこういうプレーができるというのはものすごい自信になりました」

 事前の予想では圧倒的にLSUが有利だったゲームが接戦となり、ファンを熱狂させるスリリングな内容になったのは、紛れもなくテーブスの功績だった。試合を中継したテレビの放送席も大興奮。冒頭のように、実況アナウンサーが“ルカ・マジック”という言葉を使ったのは1度や2度ではなかった。

 ボストン・カレッジで2年目を迎えたテーブスにとって、今季が極めて重要なシーズンであることは間違いない。

 夏には日本代表のディベロップメントキャンプに参加し、アジアカップ前の国際親善試合で初のA代表デビュー。兄のテーブス海と代表でチームメイトになったことでも大きな注目を集めた。アジアカップ出場こそ叶わなかったが、「2028年のロサンゼルス五輪に兄と一緒に出場すること」を大目標に掲げる新鋭にはステップアップの季節となった。 日本の女子バスケ「Wリーグ」のアイシン ウィングスのHC(ヘッドコーチ)に就任したばかりの父BT・テーブスからも日常的にアドバイスを受ける俊才は、ピュアPGとして着実に成長している。

 NCAAでルーキーイヤーを送った昨季はなかなかプレータイムが得られずに悔しい思いをしたが、様々な経験を積み、身体も大きくなった今季は飛躍の年。右手と右肩の故障で開幕から2試合を欠場したものの、11月11日に復帰後は控えPGとして安定した出場機会を得ている。

 11月18日のハンプトン大戦で8得点、4アシストをあげると、26日のハーバード大戦でも3得点、2アシストで勝利に貢献。パフォーマンス的にも右肩上がりに見えただけに、LSU戦後半の爆発も大きなサプライズではなかった。

「ルカは若く才能があり、成長している。システムへの信頼も、自分自身への信頼も深まっている。チームメイトたちも彼を信じている。だから、今日のプレーをさらに積み重ねていけるはずだ」

 LSUとの試合後、ボストン・カレッジを率いるアール・グラントHCもテーブスのプレーをそう讃えていた。
  コートに立っている間、2人は頻繁にサイドラインで言葉を交わしていたが、「次のプレーは何をするかとか、ディフェンスの時どう動くかとか、そういう部分でコミュニケーション取っています」というテーブスのコメントを聞くまでもなく、指揮官との間に信頼関係が生まれていることは容易に見て取れた。

「少しずつ自分に自信を持てている。それに気づいているコーチ陣も、自分に自信をどんどん与えてくれて、気持ちよくやれている感じです」

 今季がスタートする頃、テーブスは「スタメン入り」を目標のひとつに掲げていた。その思いは今も変わらず、実現へ確実に歩みを進めている。

 一方で、最近のテーブスの口調からは先発入りへのこだわりは消えかけているように見える。スターターではなくとも、クロージングの重要な時間帯にコートに立つことが増えているなかで、他のプライオリティーが見えてきているのだろう。

「スタメンとか、シックスマンとか、あまり気にしないで自分のできることをやることを意識しています。自分の与えられた時間だけに集中すること。チームを勝たせるのがPGの仕事ですからね」

 ボストン・カレッジはここまで4勝5敗と苦しいスタート。デューク大やノースカロライナ大といった強豪校が集う全米屈指の激戦区であるACC(アトランティック・コースト・カンファレンス)において、今後はスケジュールも厳しくなるなかで、真価が問われる。

 一部の地元メディアから「新スター誕生」とも騒がれたLSU戦のあとで、自身のプレーをチームの勝利につなげられるか。2年目の飛躍を目指し、“ルカ・マジック”はまだ始まったばかりだ。

文●杉浦大介

日本バスケ界期待の新星、テーブス流河。「将来的な目標はNBA」来季からNCAAのボストンカレッジ進学へ【アディダスアスリート・インタビュー】
配信元: THE DIGEST

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