現地時間12月5日(日本時間6日、日付は以下同)、ロサンゼルス・クリッパーズは敵地フェデックス・フォーラムでメンフィス・グリズリーズと対戦。終始1桁点差の攻防を展開も、最終クォーターでフィールドゴール成功率29.4%(5/17)の17得点と失速し、98-107で敗れた。
クリッパーズはカワイ・レナードがゲームハイの24得点に8リバウンド、4アシスト、ジェームズ・ハーデンが18得点、7アシスト、ジョン・コリンズが16得点をマークするなど、計5選手が2桁得点を奪うもアウェーで勝ち切れず。
これで今季成績はウエスタン・カンファレンス13位の6勝17敗(勝率26.1%)。ここ18戦では3勝15敗と大きく負け越しており、レギュラーシーズン連続勝ち越し記録が14で途切れる可能性も大いに出てきた。
クリッパーズはブラッドリー・ビールが左股関節手術のため残り試合全休、ブルック・ロペスはローテーション外で6戦連続の出番なし、さらには3日にクリス・ポールとの決別も発表と、オフに加えたベテラン陣の補強が裏目に出ている。
特に、現在のチームとフィットしなかったとはいえ、ポールはNBAキャリア21年目の司令塔で、今季終了後の現役引退を表明した矢先の決別だっただけに衝撃を与えた。
2010年代にクリッパーズでポールと6シーズンを共闘し、今季からNBAを配信している『NBA on Prime』でスタジオアナリストを務めるブレイク・グリフィンは、5日の番組内でこう話していた。
「クリス・ポールのことは残念に思うし、クリッパーズの組織自体にも失望している。今日彼と話したんだけど、スティーブ・バルマー(オーナー)とは何のコミュニケーションもなかったと言っていた。私にとってはそれが一番残念なことだ」
ポール自身もクリッパーズの遠征中に帰宅を命じられ、今後チームに帯同することはなく、突如離脱することが決定。今季は16試合の出場で平均14.3分、2.9点、1.8リバウンド、3.3アシストと出番に恵まれず、ローテーションから外されることもあり、不本意な形となっていた。
その強烈なリーダーシップとリーグ有数のバスケットボールIQによって、ポールはロッカールームで際立つ存在である一方、チームメイトたちやコーチ陣とソリが合わなくなってしまう危険性もある。
とはいえ、クリッパーズの14シーズン連続の勝ち越しがスタートしたのはポールが加入した2011-12シーズンから。“ポイント・ゴッド”のクリッパーズ第1期はいずれもプレーオフへ出場し、毎シーズン勝率6割超えと、強豪チームの仲間入りを果たしていた。
当時クリッパーズでコンビを結成したグリフィンは、フランチャイズの功労者をこう評していた。
「彼は勝利する文化をもたらしてくれた。NBAで振る舞う方法、すべての試合を真剣に受け止めること、自分の身体と真剣に向き合うことを教えてくれたんだ。それに彼は細部までこだわっていた。僕らは完璧ではなかったし、CPと私は意見がいつも同じだったわけではなかった。でも、ジョークと同義のフランチャイズになってしまったのは残念だ。
優勝はできなかったけど、僕らは人々がリスペクトしてくれる文化と環境を築き上げた。クリス・ポールは20年間ずっと同じ選手であり続けた。彼は勝利にこだわってきた」
レギュラーシーズン通算1万2552アシストと2728スティールでいずれもNBA歴代2位にいるレジェンドは、クリッパーズでも4076アシストと平均9.6アシストで球団史上1位に立ち、将来のバスケットボール殿堂入りが確実視されている。
グリフィンが話したように、ポールが率いたクリッパーズは優勝には届かず、ファイナル進出どころか、カンファレンス・セミファイナルの壁も突破できなかった。それでも、彼らがこれまでの球団イメージを一変させ、優勝候補にも挙がるチームへと引き上げた実績は見逃せない。
今後ポールは、このままクリッパーズから離脱したまま現役ラストシーズンを終えるのか。それとも新たなチームと契約して最後のチャレンジへ臨むのかも気になるところだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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