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下馬評が特別に高いわけではないオランダ。ただし戦力の安定感は揺るぎない。ガクポも一目置くデパイは異彩を放つ存在【北中米W杯】

下馬評が特別に高いわけではないオランダ。ただし戦力の安定感は揺るぎない。ガクポも一目置くデパイは異彩を放つ存在【北中米W杯】


 北中米ワールドカップの組分け抽選会が行なわれ、日本はグループFでオランダ、チュニジア、欧州プレーオフB(ウクライナ、スウェーデン、ポーランド、アルバニア)の勝者と同組となった。本稿ではグループステージ初戦で対戦するオランダを考察する。

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 北中米W杯で日本がF組で対戦することになったオランダは、言わずと知れた世界的強豪である。日本にとってW杯では2010年南アフリカ大会以来の顔合わせで、当時はカメルーン、デンマークを破ってベスト16に進んだものの、この大会で3度目の準優勝となるオランダの前には力負けした。

 そして2013年の親善試合を最後に、両国は10年以上も対戦がないが、日本は大きく成長している。一方のオランダも代替わりしており、現在の日本とオランダがぶつかった時に、どういう結果になるかは読みにくい。

 オランダはその歴史において、常にW杯の優勝候補に名前があがりながら、最高成績は準優勝にとどまる。ヨハン・クライフを中心に「トータルフットボール」を体現した1974年西ドイツ大会でのチームは今も語り草だが、その後も上位には進みながら、なかなか頂点には届いていないのだ。

 今回はポット1と言っても、アルゼンチンやフランス、イングランドといった本命と比べれば、下馬評が特別に高いわけではない。ただし、戦力の安定感は揺るぎなく、欧州予選は6勝2分けの無敗で駆け抜けた。
 
 前回のカタール大会では準々決勝でアルゼンチンと激戦を演じ、PK戦の末に敗れたものの、伝統のパスワークに加え、縦方向への鋭い推進力は健在である。当時のコアメンバーにドニエル・マレン(アストン・ビラ)などが加わり、チームのベースアップは感じられる。そこに突き抜けた何かを加えられるか。

 チームを率いるロナルド・クーマン監督は、その厳格なキャラクターで知られる。オランダのフットボールが受け継いできた攻撃的フィロソフィーを基盤に置きつつ、現代フットボールに求められるインテンシティを引き上げることに邁進している。

 ポゼッション偏重に陥るのではなく、守備局面も含めて試合全体の主導権を握ろうとするのがクーマンの流儀だ。

 攻撃の中心はフレンキー・デ・ヨング(バルセロナ)。長短自在のパス、広い視野、そして流れを読む能力に優れ、“水を運ぶ”ためには欠かせない存在だ。得点やアシストに関わる機会は多くはないが、正確なパスに加えて、数手先の局面を見据えたポジショニングで相手の動きを誘導し、攻撃の起点となる。

 相棒のジャスティン・クライファート(ボーンマス)は、周知の通り英雄パトリック・クライファートの息子だ。父ほどの体格こそないが、俊敏性と守備範囲の広さが魅力で、相手のプレッシャーを逸らす巧みな動きが目を引く。

 そこにライアン・フラーフェンベルフ(リバプール)がギアを入れることで、オランダの攻撃は一段と多彩になる。190センチのサイズを持ちながら、細かな技術と高い移動力を兼ね備え、試合の流れを読む力も備えている。

 前線ではコディ・ガクポ(リバプール)が核となる。サイドでも中央でもプレーでき、動き出しの質が高く、フィニッシュの精度も申し分ない。スピードに乗った突破から、最後は高さを活かしたヘッドやダイナミックなボレーまで幅広くゴールを狙えるのが強みだ。

 そのガクポも一目置くのがメンフィス・デパイ(コリンチャンス)。4-3-3の頂点に立つファイターは典型的なターゲットマンではないが、屈強なフィジカルを利して球際で相手を抑え込みつつ、周囲を前向きにさせる。欧州の5大リーグで活躍するタレントの中で、南米を舞台に奮闘するデパイは異彩を放つ存在だ。
 
 守備陣ではフィルジル・ファン・ダイク(リバプール)が絶対的な防波堤として構える。スピード、高さ、パワー、判断力、安定したメンタルと、センターバックに求められる要素をほぼすべて備え、30代の半ばに差し掛かってなお、世界最高峰の一人に数えられる。

 リバプールでともに戦う日本代表の遠藤航は彼の強みを熟知しているはずだが、些細な弱点を見つけるのは容易ではない。むしろファン・ダイクに直接ボールに絡ませず、攻撃のポイントをずらしてゴールを奪う工夫が、日本にとっては現実的な攻略法となりそうだ。

 日本との初戦が注目を集めるが、オランダが意外と苦しみそうなのがチュニジアだ。現在のオランダも守備を固めてカウンターを狙うタイプのチームを得意としているわけではない。チュニジアは明らかな格上であるオランダに対して、普段の4バックではなく5-3-2でサイドと中央の両方を閉じながら、少ない手数でオランダの背後を突いてくるだろう。最大8試合を戦うなかで、こうした相手とどれだけ戦うことになるか分からないが、チュニジア戦はオランダが乗り越えなければならないトラップの1つと言えそうだ。

 またオランダが悲願の初優勝を目ざすうえで、ガクポやデパイといった主軸の働きは当然欠かせないが、新星の台頭も重要だ。マレンはすでにプレミアリーグで名をあげつつあり、W杯でのブレイク候補と見なされる。
 
 さらに195センチの長身でしなやかなフィニッシュを持つエマヌエル・エメガ(ストラスブール)、テクニックに優れたシャビ・シモンズ(トッテナム)など、潜在力を秘めた若手が控える。ただし、20歳前後の若手の突き上げが、ポット1のライバルに比べて物足りないのも事実だ。

 もちろん現有戦力でも上位に食い込む地力はあるが、悲願の初優勝を遂げるには、クーマン監督が残りの半年余りで、どれだけ新たな戦力を引き上げられるかが、オランダの天井を左右する。

 伝統を守りながら進化し続けるオランダがF組を凌駕していくのか。あるいは日本やチュニジア、来年3月の欧州プレーオフを勝ち上がったもう1か国が存在感を放つのか。今から楽しみは尽きない。

文●河治良幸

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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