「若いときは占星術などにハマった」
――上の平さんが出演されているのは、同番組内の「自作自演占い」というコーナー。ゲストが事前に自己申告した悩みなどを上の平さんが占った体で発言し、ゲストが「当たってます」と答えてからトークが広がっていくわけですね。
上の平「はい。コーナーの冒頭で春日(俊彰)さんもおっしゃってるように、“100%当たる占い”なので、私が占い師を本業としているわけではありません。それなのに、コーナー開始当初は『あの占い師を紹介してくれ』といった問い合わせが多かったそうなんです」
――それだけリアリティーがあったということでしょうね。出演することになったきっかけは?
上の平「最初はビデオオーディションでした。こういう企画があるからということで、占い師として演じた映像を撮って送ってくださいという依頼がきて、私の事務所からも何人かが応募したんです」
――台本のようなものはあったのですか?
上の平「ありました。実際の台本のようなセリフがあり、それを読んだのですが、私としてはよくある水晶を覗き込んで「視える視える…」みたいなステレオタイプな占い師にはしたくないと思い、自分なりの工夫をしました。おどろおどろしくない、リアルな感じにしたかったんです」
――ご自身にもそういうスピリチュアルな体験が?
上の平「あるといえばあります。まず、大学では演劇を専攻していたのですが、『視える』先輩が2人いたんです。その2人が無言で同じところを見ていたら、そこには必ず何かがいる、と言われていました。私はそのときの2人の瞳がすごく印象に残っていて、占い師を演じる時の参考にさせていただいてます。
そんなこともあり、若いときは占星術などにハマり、自分のホロスコープ(生まれた瞬間の天体の配置図)を書いたり、何時間も並んで「新宿の母」に視てもらったり。あるとき知り合った霊能者さんのアドバイスには、今も全幅の信頼を置いています」
――ズバリ当てられた?
上の平「そうなんです! たとえば、『私、結婚できますか?』と聞いたときに、『できますが、今お付き合いしている方ではありません』と言われたんです。彼との将来を知りたかったので、ガーンですよね。
その後で『結婚の機会は2回ある。1回目は30歳過ぎで2回目は40歳。30歳過ぎに出会った方は同世代の青年実業家でお子さんを1人、授かります。2回目の方とはすでに出会っていますが、私としては1回目がお勧め。あなたをとことん甘やかしてくれます』って。
でも正直、そこはよく覚えてなかったんです。ショックが大きくて…。26歳の頃でした」
――で、現実になったと?
上の平「30歳を過ぎて、いざ結婚となり準備でバタバタしているときにふと、あの“予言”を思い出したんです。『そういえば彼は同世代で青年実業家だ。身ごもってるから子供も確定してる。当たってたぁ』って」
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大竹しのぶのミュージカルがきっかけで俳優を目指す
上の平「今はVTR出演なのですが、当初は同じスタジオで撮っていたんです。共演される方のネタや経歴はYouTubeなどで拝見し、相手をイメージして喋るようにしています。時には口調や持ちネタをマネしてみたり。
そこで改めて思うのは、お笑いの方々の瞬発力とか頭の回転の速さには、とても刺激を受けてきました。ボケにしてもツッコミにしても、その設定や役柄をものすごく信じてやってるから面白いですよね。そりゃあ演劇界にもお笑いの方々が入ってくるわけだと痛感しました」
――上の平さんご自身はどうして俳優を目指そうと?
上の平「小学6年のときにテレビで大竹しのぶさんのミュージカル『にんじん』を見たんです。衝撃を受けて、サントラ盤を擦り切れるほど聴きました。大学で演劇を学び、そのまま俳優の道へ。まだ代表作と言えるものはないのですが、テレビや舞台、映画に少しずつ出させていただいてます。
皆さんに知ってもらえたのは『噂のどーなってるの?!』『こたえてちょーだい!』(フジテレビ系)という情報バラエティー番組の再現ドラマに出ていた頃ですね。薄幸な病弱女性から元ヤンまで、幅広くやらせていただき、街で声をかけられることも多かったです。
でも、最近気付いたのは、昔は怒鳴り散らすようなエキセントリックな役が多かったのに、最近は占い師役もそうですが、穏やかな人に見られがちなんです。それが自分でも意外でした」
――俳優としてのこだわりはありますか?
上の平「あるとき、女性のホームレスの役をいただいたことがあり、段ボールで家を組み立てるシーンにリアリティーが欲しくて新宿のホームレスにお話を聞きに行ったことがあります。相手の方からすると、私が人生を諦めかけてる女の子に見えたんでしょうね。
ポツリポツリといろんな話をしてくれて、最後は大事なお弁当まで分けてくださったんです。ちょっと酸っぱかったけれど、貴重な体験でした。そこから思うのは、私は人間が好きだからこの仕事をやっているんだということ。
醜い部分も愚かな部分もひっくるめて、人を愛おしむ想いが俳優としての原動力になっていると思います。いつまでも感受性をヒリヒリさせていたいですね」
「週刊実話」12月18・25日号より
上の平多香(うえのひらたか)
1967年4月7日生まれ。三重県出身。T154、B83・W63・H84センチ。桐朋学園大学短期大学部演劇科演劇専攻卒業。フジテレビ系ドラマ『白い巨塔』『救命病棟24時』、映画『浅田家!』『命』、舞台『遥か遠き果てに~二つの祖国~』(葦の会プロデュース)などに出演。
