マクラーレンはチャンピオン争いの最後の戦いに向けて、ジョージ・ラッセル(メルセデス)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)のふたりが脅威になる可能性を考えている。
最終戦アブダビGPにはランド・ノリスとオスカー・ピアストリがそれぞれタイトル獲得の可能性をもって臨んでいる。首位のノリスは2番グリッド、ランキング3番手のピアストリは3番グリッドから決勝に臨む。なお12ポイント差のランキング2番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はポールポジションスタートだ。
ノリスは決勝で3位以上に入れば、ライバルの結果に関わらず王者となれる。そのため予選はマクラーレンにとってはまずまずポジティブなモノだったと言えるだろう。しかしアンドレア・ステラ代表は、ラッセルやルクレールが争いに加わってくれば、状況を複雑なモノにしてしまうと、警戒している。
「全て順調だ」と、ステラ代表はSky Sports F1に語った。
「だがラッセル、ルクレールもいる。我々だけが争っているわけではないんだ」
「複雑なレースになってくるだろう。しかし我々は最善を尽くして、結果を出さなくてはならない。ランド、そしてオスカーにはチャンピオンシップ勝利のチャンスと選択肢のあるレースにしてやらなくては」
なおノリスとピアストリでリヤウイングのセッティングに違いがあったのではないか、という質問に対しては、「違いはなかった」と説明した。
「彼らは同じ構成だった。最高速の違いは、前のクルマのスリップストリームによるものだと思う。ダウンフォースの面からも、マシンがしっかりとパフォーマンスを発揮していることは十分に確認できている」
プレッシャーのかかるタイトル争いになっているが、2016年の王者ニコ・ロズベルグは予選後の分析で、ノリスの走りを称賛した。
「スリラー(手に汗握る展開)はまだ続いている」
ロズベルグはSky Sports F1にそう語った。
「ランド・ノリスに敬意を表したい。予選全体を通して、彼にとって状況は万全ではなく、何かとうまくいかない場面があったが、最後に重要な瞬間が訪れたとき、彼は見事なラップを決め、フロントロウを持ち帰った」
「最後の瞬間、特にすべてが完璧に進んでいないと感じる中で、ラッセルにさえ脅かされる状況でのプレッシャーは、とてつもないものだったはずだ」
「ランドは本当に素晴らしい仕事をした。完璧な仕事だった」

