FIA F2第14ラウンドのフィーチャーレース(33周)がアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで行なわれた。優勝したのはジョシュア・デュルクセン(AIX)だった。
2025年シーズンのFIA F2は、これが最後のレース。ドライバーズチャンピオンはカタールの時点で既にレオナルド・フォルナローリ(インヴィクタ)に決まっており、3チームが権利を持つチームタイトル争いも、インヴィクタが圧倒的優勢といった状況だった。
そのインヴィクタ勢は予選トップタイムだったロマン・スタネックがポールポジションを確保し、フォルナローリも3番グリッドと好位置につけた。一方で2番グリッドのジャック・クロフォード(DAMS)はスタート進行で違反があったとされ、10秒のストップ&ゴーペナルティという重い罰則が科された。
レースは2周目にアクシデントが発生し、早速セーフティカー(SC)が出された。アレクサンダー・ダン(ローディン)、ヴィクトー・マルタンス(ARTグランプリ)がターン7で接触し、スピンしたダンのマシンにキアン・シールズ(AIX)が突っ込んでしまったためだ。
クロフォードはペナルティ消化で後方に回っており、上位はスタネック、ディノ・ベガノビッチ(ハイテック)、デュルクセン、フォルナローリというオーダーに。14番手スタートの宮田莉朋(ARTグランプリ)は12番手で、6周目にレース再開となった。
このレースでのオプションタイヤ(柔らかい側のコンパウンド)であるスーパーソフトを履くドライバーたちは7周目からピットへ。この周にはスタネック、ベガノビッチが入ると、続く8周目に入ったデュルクセンがオーバーカットに成功し、ベガノビッチ、スタネックの前に出て事実上のトップに浮上した。
10周目にセバスチャン・モントーヤ(プレマ)がコースサイドにストップし、12周目に2度目のSC出動。プライムタイヤ(硬い側のコンパウンド)で引っ張ってマージンを稼ぎたいフォルナローリらステイアウト組としては、頭の痛い展開と言えた。
ステイアウト組はレース最終盤までピットを引っ張り、残り5周から動きが出始めた。この時点でトップに立っていたのはアービッド・リンドブラッド(カンポス)で、残り3周というところでフォルナローリと共にピットへ。ただリンドブラッドは10番手まで落ちてしまった。
これで首位に立ったデュルクセンはトップの座を守ったままチェッカーを受けた。彼にとっては今季2勝目であり、昨年に続いて2年連続でアブダビのフィーチャーレースを制した。2番手チェッカーはベガノビッチだったが、ピットレーン速度違反による5秒ペナルティで4位まで落ち、2位スタネック、3位ガブリエレ・ミニ(プレマ)となった。
宮田はペース的には苦しい戦いになったものの、戦略がうまくハマり8位入賞。年間ランキング17位で2年目のF2シーズンを終えた。なお、チームチャンピオンはインヴィクタが獲得した。

