『清宮海斗デビュー10周年記念プロデュース大会 狂乱のDECADE』後楽園ホール(2025年12月7日)
60分アイアンマンマッチ ○拳王vs清宮海斗×
清宮海斗のデビュー10周年記念プロデュース興行が後楽園ホールで開催され、清宮が79分46秒におよんだ地獄の一日3試合を完走。死力を尽くして大会を締めた試合後、まさかのNOAH来襲を果たした“ザ・グッド・ブラザーズ"カール・アンダーソン&ドク・ギャローズ組に急襲され、元日武道館でジャック・モリスと組んで迎撃することが決定的となった。
10周年の節目に自ら“地獄の一日3試合"を課した清宮。デビュー戦の相手・熊野準相手のシングルマッチ(第1試合)、ALL REBELLIONと組んでの8人タッグマッチ(第4試合)で2連勝して迎えたメインイベントは、拳王との“60分アイアンマッチ"だった。
一日3試合目なうえに“試合時間・60分"が確定している過酷な試合形式。「時間内にどちらが多く勝利できるか」を競うもので、数多の激闘を繰り広げてきた拳王との“集大成"を見据えて清宮自身は「これが最後の拳王戦のつもり」で臨んだ。
すでに2試合を終えている清宮が不利なのは明らか。序盤から試合を優勢に進めた拳王は、執ように拳王スペシャルに絡め取り、ギブアップを奪って先取した。その後、場外戦になると、ミドルキックを避けられて右足を鉄柱で痛打した拳王だったが、それでも場外ドラゴンスープレックスから捨て身のPFSにつなげて、リングアウト勝ちももぎ取る。
連続してリングアウト負けしそうになった清宮だったが、なんとか滑り込むと、かつて奥の手として使用していた雪崩式リバースDDTで形勢打開。元盟友・大岩陵平の得意技であるアナコンダスープレックス、ドクターボムからスカイウォークエルボーを落として3カウントを奪い、一矢報いた。胸板を痛めた拳王の大技攻勢をしのぐと、今度は秘策の4の字式エビ固めで3カウントを再び奪取。2-2のイーブンとなった。
ダメージを引きずる清宮は打撃戦になるとフラフラになるが、拳王のビンタを浴びると、突如として笑顔を見せて、狂乱モードに突入。笑みを浮かべて打撃ラッシュを受け止めると、目をバキバキにしながらシャイニングウィザードを連発する。そして、再びスカイウォークエルボーを放ったものの、拳王はハイキックで迎撃。PFSでも清宮が沈まないとみるや、秘密兵器の炎輪で3カウントを奪った。
またもリードを許した清宮だったが、各種シャイニングウィザードを乱れ打ち、3カウントを奪って意地の追い上げを見せる。そして、足4の字固めで絞めに絞めたものの、ロープに逃れた拳王はスキを突いて起死回生の右ハイキックを一閃。OZAWAをKOした超卍蹴りもさく裂し、残り1分を切ったところで3カウントをもぎ取る。諦めない清宮も丸め込みを連発し、シャイニングランサーをねじ込んだものの、フォールする前に試合終了のゴングが打ち鳴らされた。
4-3で拳王の勝利となったが、敗れども過去と現在、そして未来が交錯した一日3試合、79分46秒を戦い抜いた清宮。拳王と座礼で健闘を称え合うと、場内はねぎらいの大拍手に包まれた。
マイクを握った清宮は「デビューして10年間ずっと拳王さんの背中を追いかけてきました。目の前に拳王さんがずっと立っていたから、こうして今の自分があると思っています。でもやっぱり俺、拳王さんに負けるのが一番悔しい。よかったら、また来年、フルタイムやってください」とまさかの再戦も要求しながら感謝した。
拳王も「さすが清宮だ! 10周年おめでとう!」と地声で称賛。改めての海斗コールのなか「俺はこの団体が大好きで、ここに集まってくれる皆さんのことも大好きで…俺はNOAHを業界1位にします。絶対あきらめません! 言ったら俺は必ず夢は叶えるんで、一緒に夢を追いかけてください! また15年か、20年か分からないけど、その時は東京ドームでお会いしましょう! ALL REBELLION! すべてはNOAHのために!!!」と締めくくった。……かにみえた。
その直後だった。フードを目深にかぶった大男がリング上に飛び込んで背後から清宮を急襲。清宮にビッグブーツをぶち込んだ二人は、新日本やWWEで暴れ回った“ザ・グッド・ブラザーズ"アンダーソン&ギャローズだった。
場内が一転して大ブーイングに包まれるなか、代名詞技のマジックキラーを連発して清宮を完全KO。マイクを握ったギャローズは「“マシンガン"カール・アンダーソン、ドク・ギャローズ、グッドブラザーズ…イチバン!!」と叫んだ。
さらにアンダーソンは「オヒサシブリデス」と日本語で連呼して場内は帰れコール一色に。構わず「キヨミヤ! お前はNOAHの顔であり象徴だ。だから俺たちカール・アンダーソンとドク・ギャローズが新しいNOAHの顔、そして象徴になってやる。ワールドフェイマス、グッドブラザーズがな!」とNOAH来襲を宣言して悠然と姿を消した。
ボロボロになっていたところを、さらにボロボロにされる10周年の節目となった清宮。そこへジャック・モリスが介抱に現れ、二人で花道を下がった。清宮は「ドク・ギャローズ、カールアンダーソン。相手が誰だろうとNOAHのリングを汚すヤツは許さねえぞ。俺が次の1・1元日・日本武道館でジャック・モリスとてめえらやってやるよ!」と迎撃を宣言。清宮の11年目は思わぬ難敵相手に始まる。
【試合後の清宮、モリス】
▼モリス「本当にこんなことはあり得ない。あいつらは世界中でこんなことやってるよな? あいつらにNOAHを乗っ取らせるなんて、そんなことやらせるわけがない。俺が本当に愛している、このプロレスリング・ノア。ここにいる清宮も本当に心の底からプロレスリング・ノアを愛している。だからハッキリ言っておく。俺と清宮が絶対にあいつらをのさばらせることなんてしない。あいつらにNOAHを乗っ取らせることなんてしない」
▼清宮「10周年だよ。10周年だぞ! おい!! いつもこうなんだよ。最後の最後に入ってきやがってクソ! おい、ドク・ギャローズ、カールアンダーソン。相手が誰だろうとNOAHのリングを汚すヤツは許さねえぞ! 俺が次の1・1元日・日本武道館でジャック・モリスとてめえらやってやるよ!」
【拳王の話】「清宮海斗。お前はやはりジーニアスだな。2試合やって3試合目。そして60分。完封できると思ってたよ。だが、お前のプロレスに対する思い、愛情、そしてプロレススキル。本当にどのプロレス界を見ても俺はトップだと思うぞ。おい、清宮。10周年、まだまだだろ? まだまだ15周年、20周年、清宮、お前が15周年、20周年の頃にはNOAHを一緒にナンバー1に持っていこうぜ。とりあえず清宮、10周年おめでとう。そして、なんか俺の試合前に発表あったよな? おい。1月1日、誰が来るんだ? 誰が参戦するんだ? ロス・インゴ…じゃなかったよな。ロス・トランキーロス? BUSHI参戦するのかよ、お前。NOAHのリングに上がるのか? そして隣にXXXXって、どういうことだ? Xじゃないのか? XXXXって、そういうことだよな。BUSHIの隣で今年ずっと行動をともにしてるお前か? いいか、お前。NOAHに上がるってことは、そういうことだろうな」
【アンダーソン&ギャローズの話】
▼アンダーソン「あいつらの声はよく聞こえたぞ。なぜ俺たちにブーイングするんだ? 俺たちはグッド・ブラザーズなんだぞ」
▼ギャローズ「ブー。ソーデスネ、ソーデスネ」
▼アンダーソン「キヨミヤ? キヨミヤ?」
▼ギャローズ「キヨ・ミーヤ…キヨ・ミーヤ!」
▼アンダーソン「あいつらが清宮を応援する声もしっかり聞こえてたぞ。あいつらが好きな選手だっていうのもよくわかってる。NOAHの象徴だよな? NOAHの顔なんだよな? でも、それももう終わりだ。これからはドク・ギャローズ、カール・アンダーソン、世界でも有名な俺たちグッドブラザーズがNOAHの顔、NOAHの象徴だ。俺たちがNOAHを乗っ取ってやる」

