マクラーレンのランド・ノリスは、自身初のF1ドライバーズタイトルを獲得した後、チームと家族に、涙ながらに感謝の意を表した。
F1アブダビGPでは、緊迫の戦いが繰り広げられた。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が優勝し、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が2位。そしてノリスは3位に終わった。しかしそれでも、2025年のドライバーズチャンピオンに輝くには十分だった。
「ああ神様。しばらく泣いていなかった……泣くとは思わなかったけど、泣いてしまったんだ」
ノリスはレース後、そうインタビューに語った。
「長い道のりだった。本当に長かった。でもまず初めにチームのみんな……マクラーレンの全員、そして両親に心から感謝したい」
「僕は泣いていないよ……父さん、母さん。彼らは、僕を最初から支えてくれた人たちだ」
ノリスは涙を堪えなら、さらに次のように続けた。
「最高の気分だ。マックスの気持ちが、少し分かったような気がする。シーズンを通じて最大のライバルだったマックスとオスカーのことも祝福したい。ふたりと戦えたことは喜びであり、光栄だった。ふたりから多くのことを学べて、楽しかった。長い道のりだったけど、やり遂げたんだ。みんなのことを本当に誇りに思う」
ノリスは、今回のレースについても語った。
2番グリッドからスタートしたノリスは、すぐにピアストリに抜かれて3番手に後退した。そのままの順位でフィニッシュすれば、他のドライバーの順位に関係なくタイトルを獲得できる立場であったが、後方からはフェラーリのシャルル・ルクレールがプレッシャーをかけてきていた。もしルクレールに抜かれ、フェルスタッペンが勝ってしまえば、タイトルはフェルスタッペンのものとなる……ノリスとしては、安心できるような位置関係ではなかった。
チャンピオンのことを考えてレースをしていたのか、それともレースに集中していたのかと尋ねられると、ノリスは「両方だったね」と語り、次のように続けた。
「(チャンピオンのことを)考えずにはいられなかった。でも、長いレースになることは分かっていた」
「F1では、何が起きるか分からないということは何度も経験してきた。最後の2〜3周まではプッシュし続けたんだ。少しペースを落とすこともできた。それでも、最後まで戦い抜きたかった。それが、僕らのやり方だったんだ。そしてそれが、今季僕らがやらなければいけないことなんだ」
「マックスが僕らに接近してきた。オースカーも、最後には食らいついてきた。今年は本当に楽なシーズンではなかったから、本当に嬉しいよ」
ノリスは最後に次のように語り、チームの全員を祝福した。
「マクラーレンとの道のりは長かった。9年間、彼らと共に過ごしてきた。大変な時期も、良い時期もたくさん経験してきたんだ」
「チームにとっては、かなり久しぶりのドライバーズタイトル獲得だ。そのことにより、恩返しができたと感じている。チームのために自分の役割も果たせたと思うし、誇りにも感じている。でも、僕を泣かせた皆さんのことも、誇りに思っているんだ」
結局最終的なポイント獲得数は、ノリス423ポイントに対してフェルスタッペン421ポイント……僅か2ポイント差での決着だった。

