最新エンタメ情報が満載! Merkystyle マーキースタイル
ジェフの37歳ベテランの存在価値。先達の水野晃樹は強調「歴史を知る男が頑張ると、一番チームは盛り上がる」

ジェフの37歳ベテランの存在価値。先達の水野晃樹は強調「歴史を知る男が頑張ると、一番チームは盛り上がる」


 水戸ホーリーホック、V・ファーレン長崎に続く3枠目のJ1昇格チームを決めるプレーオフの準決勝が12月7日に開催。シーズンで3位のジェフユナイテッド千葉は、6位のRB大宮アルディージャをホームのフクダ電子アリーナで迎え撃った。

 ご存じの通り、プレーオフは上位クラブが引き分けでも勝ち上がれるルール。1万7000人超の大観衆の声援も味方につけた千葉は圧倒的有利な状況だった。

 しかしながら、20分にCKから大宮の泉柊椰に先制点を献上すると、32分には右SB関口凱心に2点目を奪われる。前半を0-2で終えるという、まさかの展開を余儀なくされた。

「『1点取ったら変わるよ』と。『劇的勝利をしよう』というのをみんなで話し合ってピッチに出ました」とキャプテンの鈴木大輔はまったく諦めていなかったことを明かす。

 48分には再びリスタートからアルトゥール・シルバに決められた時には、さすがに「マズイ」という危機感が走ったに違いない。それでも「ここで自分たちを信じ切れるかどうかだ」と自らを、そして周囲を鼓舞し続けた鈴木の思いがチーム全体に乗り移った。

 そのなかで、60分に途中出場した17歳の新星・姫野誠が流れをガラリと変え、71分にカルリーニョス・ジュニオの一撃がさく裂。そこからフクアリの雰囲気が一気にヒートアップする。
 
 さらに火をつけたのが、小林慶行監督の73分の3枚替え。とりわけ大きかったのが、37歳の大ベテラン米倉恒貴の存在だ。

「自分は37歳で、正直、20代の選手にプレーでシャカリキにやって勝てるかと言ったら、なかなか難しいところがある。それでも使おうとしてくれるんで、ポジションうんぬんじゃない。今日だって左サイドでしたし、やれることをやるだけ。強い意識が最後、一番なのかなと思います」と、J1最終節で劇的な残留を果たした2008年の“フクアリの奇跡”を知る男は貪欲に泥臭く前へ出続け、仲間の士気を高めていったのだ。

 そのエネルギーが結実し、77分にはエドゥアルドが2点目をゲット。1点差とすると、直後に米倉がGK目がけて猛然とボールを奪いに行く。このワンプレーにスタジアム中が勇気づけられ、熱気は最高潮に達した。

 そして迎えた83分。呉屋大翔がヘッドで落としたボールを米倉が素早く前線へ展開。ここに姫野が走り込み、同点弾を奪取。試合を振り出しに戻し、とうとう千葉が優位に立ったのである。

「あれがアシストになるのはデカいですよね。あいつに感謝します」と値千金のアシストをつけた米倉は言う。頼もしい年長者に対し、鈴木も「『下を向くな、前に出ようぜ』というのを背中で示してくれた。後ろから見ていて感動しました」と心からの賛辞を贈った。

 もともと米倉というのは、泥臭く頑張るタイプのプレーヤー。30代後半になった今でも勇猛果敢に敵陣に向かっていく。そういう闘争心溢れるアグレッシブなプレーは、姫野ら若手に大きな勇気を与えるはず。最終的に河野貴志の逆転弾が生まれ、千葉は4-3でミラクルな勝利を手にしたが、本当にこの日は米倉が計り知れないほど大きなものをもたらしたと言っていい。
 
 今年で千葉がJ2に降格してから16シーズン目。このクラブがオリジナル10であり、2009年までJ1で戦っていたという実感がない選手も少なくないだろう。こうしたなか、米倉は当時の生き証人だし、鈴木もアルビレックス新潟の一員として“フクアリの奇跡”を目の当たりにしている。そういうベテランが千葉のプライドを体現していくことこそ、17年ぶりのJ1復帰への原動力になるのだ。

「今年に関してはサカさん(坂本將貴)もコーチでいますし、『歴史を背負いすぎることはない』といった話も試合前にありました。そういう過去は僕らみたいに知ってるやつだけが背負えばいい。マコ(姫野)とかは何も背負わなくていいし、新たな時代を築いてくれればそれでいい。僕も今日そう考えてやりました。こういう戦いができたのもフクアリの力。自分のキャリアの中でも間違いなく心に残る試合になりました」と米倉は神妙な面持ちでコメントした。

 その米倉に対し、フクアリに訪れた先輩の水野晃樹も「歴史を知る男が頑張ると、一番チームは盛り上がる」と強調。かつて共闘した先人の激励を受け、米倉は12月13日のプレーオフ決勝・徳島ヴォルティス戦でもチームを支えていく覚悟だ。
 
 そして、次の最終決戦の舞台もフクアリ。今回と同じ引き分けOKのアドバンテージもある。

「本当に次なんで。今日の余韻にいつまでも浸ってたら本当に痛い目に遭う。僕はいろいろ経験してきているからこそ、今週1週間でしっかり締めて次に臨まなきゃいけないですね」と米倉はいち早く次戦に目を向けていたが、確かにその言葉は的を射る。千葉は2012年、14年のプレーオフ決勝で敗れている。当時と同じ轍を踏むことだけは絶対に許されないのだ。

「徳島は守備が堅いのはもちろんですけど、それ以上に前線の選手の個があって、カウンターで点を量産できるところが噛み合って、今はすごく強いチーム。しっかり分析して戦います」と鈴木も冷静に語ったが、ベテランたちの舵取りが千葉の命運を大きく左右する。それは紛れもない事実である。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

【画像】日向坂や乃木坂の人気メンバー、ゆうちゃみ、加護亜依ら豪華タレント陣が来場、Jリーグのスタジアムに華を添えるゲストを特集

【画像】長澤まさみ、広瀬すず、今田美桜らを抑えての1位は? サカダイ選手名鑑で集計!「Jリーガーが好きな女性タレントランキング」TOP20を一挙紹介

【記事】「大谷翔平って何であんなに凄いの?」中村俊輔の素朴な疑問。指導者としてスーパースター育成にも思考を巡らせる
配信元: SOCCER DIGEST Web

あなたにおすすめ