大量の肉汁と衣の融合を堪能
まず、塩もソースもかけないプレーンな状態で食べる。うまい、うますぎる。脂身ではなく、大量の肉汁と衣の融合を堪能。これが実に深い旨味。まるで高濃度の出汁を飲んでいるかのようだ。
ずっと、プレーンなまま食べてもイイが、欲が出てしまう。いろんなテイストでも味わいたいと。
ライスとの調和が素晴らしい
ぼーひれは、ライスにもすこぶるマッチする。ぼーひれの端をライスにのせて、やや多めのソースをかけて、ライスとともに「ガッ!」と食べる。
やっぱり、うまい。というか、最高オブ最高。ライスとの調和が素晴らしい。
実にコク深いテイストを楽しませてくれるマヨネーズ
マヨネーズもかなり良かった。ぼーひれが繊細なテイストなので、そこにパワフルなマヨネーズが合流することにより、マヨネーズの塩味が旨味の存在を強調し、実にコク深いテイストを楽しませてくれるのだ。
脂身がないからなのか、マヨネーズとの共演でもしつこくはならない。むしろマヨネーズの参戦はポジティヴポイントしかない。ちなみに、ぼーひれにたっぷりとマヨネーズをのせて、そこに唐辛子をふりかけても絶品だ。
とんかつをおかずにとんかつを食べる
大根おろしに醤油をかけて、ぼーひれにのせて食べる。旨味が濃く、それでいて後味がスッキリとしたぼーひれだが、そこに大根おろしのジューシーなエキスと爽やかさが付加されると、一気に「別物」となる。
その別物が、たまらなく魅力的なのだ。まさに「とんかつの箸休めをとんかつでする」「とんかつをおかずにとんかつを食べる」といった感じであり、とんかつのポテンシャルを感じずにはいられないおいしさともいえる。
今回のぼーひれ、以前よりも、スライスの加減が、薄めだったように思える。もしかすると、筆者が大根おろしとマヨネーズを追加したため、薄めにカットして、できるだけ多くの味を体験できるよう、調整してくださったのかもしれない。そうだとしたら優しい。
衣の香ばしさと肉の旨味を際立たせるレモン
ちなみに「吉平」のとんかつは、スライスのレモンで包むようにして食べても絶品。ぼーひれでも絶品。少量の塩をかけてからレモンで包んでも素晴らしいおいしさとなる。引き立つ酸味が、衣の香ばしさと肉の旨味を際立たせるのである。
いやあ、今回も感動した。またこの味が食べられたことに感動し、心の中で感極まって泣いた。食べる者の心の琴線に触れてくるとんかつ屋、それが「吉平」。ごちそうさまでした。
(執筆者: クドウ秘境メシ)
