F1アブダビGPでチャンピオンに輝いたランド・ノリス(マクラーレン)は、「自分が勝ち取りたかった方法」でタイトルを獲得し、最も身近な人々を喜ばせることができたことに最大の満足感を得たと語った。
アブダビGPで3位を獲得したノリスは、優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を2ポイント、チームメイトのオスカー・ピアストリを13ポイント差で破り、自身初のチャンピオンを獲得するというミッションを達成した。
ノリスはこれまでのキャリアを通じて、特にフェルスタッペンとのバトルにおいて、コース上での攻撃性に欠けるとの批判を浴びてきた。しかし彼は、そうした姿勢を捨ててチャンピオンを勝ち取る必要性があるという見解を、一貫して否定し続けてきた。
記者会見で、ノリスはもっと攻撃的なアプローチを追求できたかもしれないと考えたこともあったと認めたが、それでも今年のチャンピオンを勝ち取るにあたり、自分自身に忠実であったことに満足していると語った。
「それが一番誇りに思えることのひとつだ」とノリスは語り始めた。
「自分が望んでいた方法で勝つことができたと感じている。それは、マックスのようにアグレッシブになろうとしたり、過去のチャンピオンたちのように力強くなろうとしたり、そういう類のものではない」
「嬉しいよ。自分のやり方で勝てたんだ。アンドレア(ステラ/マクラーレン代表)が言っていたように、自分らしく『ランド流』で勝てたことを嬉しく思うよ」
「最初のうちは、みんなが望むような人間になるために行動できたかもしれない。時々はそうすることができたこともあっただろう。でもそうしていたら、ある意味では誇りを持てなかっただろう」
「だから、冷静さを保てたという点では、自分自身にとても満足している。自分自身に集中し、自分のありのままの姿を最大限に活かすことができたんだ」
「このこと(タイトル争い)が僕の行動、考え方、そして物事の進め方を変えないことを心から願っていた。フェアなドライバーであり、誠実なドライバーであろうと努めることで、今年のチャンピオンシップを勝ち取ることができたと信じている」
ノリスは両親への感謝を口にするとともに、2017年初めに育成ドライバーとして加入したマクラーレンからの投資に感謝の意を表した。
「これは僕のワールドチャンピオンじゃなくて、僕たちのワールドチャンピオンだ」
「誇りに思っているけど、明日起きて『みんなに勝った』と言えるから誇りに思うわけではないし、ただ自分が世界チャンピオンだと言えるから誇りに思うわけでもない」
「たくさんの人を幸せにできたと感じるから、誇りに思う。エンジニアのウィル(ジョセフ)とジャーブ(アンドリュー・ジャービス、パフォーマンス・エンジニア)も幸せにできた」
「彼らはあまり家族に会うことができない。自分の子供の成長よりも、僕の成長を見てきた。そのことを申し訳なく思っているけど、彼らは僕のパフォーマンスのために、僕たち全員のパフォーマンスのためにあれほど尽力してくれた。僕が彼らの時間を少しでも価値あるものにしたと感じられる。それが僕をハッピーにしてくれるんだ」

