
本作「青天」は、自身初となる小説で、舞台は四半世紀前の東京、高校アメフト部。“あの頃”の空気に包まれながら、アメフトに全てを懸け、全存在でぶつかり合う高校生の物語を描いている。なお、タイトルの「青天(あおてん)」はアメリカンフットボール用語で、試合中にタックルを受け、仰向けに倒れること。
若林は「『今の時代だと“イタイ奴”で終わりそう! でも楽しい!』と、興奮しながら書きました」とコメントを寄せている。
☆「青天」ストーリー
総大三高の「アリ」こと中村昴が所属するアメフト部は、万年2回戦どまり。相手校の練習を隠し撮りしてまで迎えた高3の引退大会では、強豪・遼西学園に打ち砕かれた。引退後、みなが受験に向かうなか、勉強にも気持ちが入らず、不良になる覚悟もないまま宙ぶらりんの日々を過ごす。自分自身の不甲斐なさにもがき続ける中で、アリは再びアメフトと向き合う決意を固める。
