MotoGPに参戦するアプリリアのマッシモ・リボラCEOは、2025年中に現在最強のマルク・マルケス(ドゥカティ)を倒したいという野望を持っている。
ドゥカティ陣営で2年目のマルケスは今シーズン開幕から絶好調。レースでは連勝に次ぐ連勝で、第17戦日本GPでキャリア通算9度目のタイトル獲得がほぼ確実な状況だ。
しかし後半戦に入ると、そんなマルケスに少しずつ迫ってきたのがアプリリアのマルコ・ベッツェッキだった。第16戦サンマリノGPでは、ラストラップまでマルケスを相手に優勝争いを繰り広げて2位となっており、その差もわずか0.568秒差だった。
アプリリアを率いるリボラCEOは、こうしたベッツェッキの走りがファクトリー全体にとって励みになっており、2025年シーズン中に”マルケスに勝つ”という新たな目標ができたと話した。
「現時点で、我々は”93番”の後ろであることは明らかだ」
リボラCEOはそう語る。
「しかし、マルコの調子のおかげで、今シーズン終了までに彼を倒すという目標ができた」
「少なくとも1度はできるかもしれない。それをファクトリーとしても認識することが重要なんだ」
「マルコには再びチャンスが巡ってくるだろうし、我々はマルクや他のライダーと戦う機会があるだろう」
「ペドロ(アコスタ/KTM)が非常に速いことも分かっている。彼は(サンマリノで)技術的なトラブルに見舞われていたようだが、それまでは非常に速かった。我々は努力し続ける必要がある。自分たちがベストなわけではないんだ。まだ目標があそこにいる」
アプリリアの2025年シーズンの主な目標のひとつに、様々なサーキットで安定した速さを発揮するバイクにする、というモノがあった。昨年はドゥカティ以外のメーカーで唯一勝利したアプリリアだが、安定した成績は残せていなかったのだ。
今シーズンはより安定して競争力を発揮するマシンに仕上がってきているが、一方で以前はアプリリアが速さを発揮したカタルニアのようなコースで、精細を欠く事態も生み出している。
「オーストリアやミサノ、それからストップ・アンド・ゴーのコースなど、我々が普通は競争力が無かったコースで、今の我々は力を発揮できているのは事実だ」とリボラCEOは言う。
「しかしカタルニアのような、我々が以前非常に強かった場所で、そのアドバンテージが残っているかどうか定かではないというのもまた、事実としてある」
「だからインドネシアやフィリップアイランドのような高速コーナーでの速さを確認したいと思っている。今言ったようなコースでは、平均的に他のマシンとの差が縮まっていると思う」
「ただバイクのメカニカルセットアップと電子制御のセットアップがかなり異なっているため、金曜日の特にFP1ではすぐにバイクの性能を最大限引き出せないことがあるんだ」
「そういったこともあり、ベストパフォーマンスを引き出すにはもう少し時間が必要になっている。普段から、アプリリアはレースウィークで最高のパフォーマンスをレースで発揮しているんだ。我々は日ごとに改善しているからね。これは来年に向けても良いことだ。たが私としては、アジアでのレースがどうなるか非常に興味がある」

