『WORLD TAG LEAGUE 2025』広島サンプラザホール(2025年12月8日)
Aブロック公式戦 ○ゲイブ・キッド&辻陽太vsタイチ&小島聡×
辻&ゲイブがタイチ&小島を撃破。5勝目を挙げて、WORLD TAG LEAGUE・Aブロック2位通過を決めたものの、2人の間に入った亀裂は修復されるどころか、さらに悪化した。
4勝1敗とブロック突破の可能性を残して最終公式戦を迎えた辻&ゲイブだが、現在は関係が悪化中。12・2山梨大会でエル・デスペラード&石川修司と公式戦で対戦した際に、ゲイブがハードコアファイトを仕掛けたことに辻が激怒し、試合では勝利したものの、亀裂が発生したのだ。
そして、12・5大阪大会では後藤洋央紀&YOSHI-HASHIと激突したが、辻のジーンブラスターがゲイブに誤爆して、そのまま敗戦。今度はゲイブがブチ切れ、不穏な空気を抱えたまま広島大会を迎えた。
今宵の対戦相手は1勝4敗のタイチ&小島。結果こそ伴っていないが、過去の恩讐を超えてタッグリーグに出場し、着実に絆を作ってきた。意地の2勝目を狙って、辻&ゲイブと激突した。
辻とゲイブは入場時から距離を取って視線を合わせない。一方、タイチと小島は握手を交わした。序盤からから辻とゲイブがタッチを巡ってにらみ合うと、背後からタイチが奇襲して同士討ちに持ち込む。すかさずタイチはバックドロップで辻を引っこ抜いて先手。ゲイブが2人を相手にしようとしても返り討ちにした。
ここからタイチ&小島は辻の首に集中砲火。辻もカーブストンプで反攻するが、タイチも同じくカーブストンプで踏みつけると、ショートレンジラリアットを振り抜いて、辻を追い詰めた。すかさずタイチは聖帝十字陵に捕獲する。
カットに入ったゲイブは倒れる辻を強引に自陣に引きずり込んでタッチに成功。打撃戦ではタイチと小島が優勢に進めたものの、引かないゲイブは小島に垂直落下式ブレーンバスターを決めて状況を覆す。負けてなるかと小島もラリアットの相打ちに持ち込み、コジコジカッターをさく裂。タイチもバズソーキックで援護射撃すると、サンドイッチラリアットも決まる。ここが勝負所と見た小島はゲイブの抵抗をものともせずに左腕ラリアット、さらには正調ラリアットをぶち込んだ。
決定的な場面だったが、辻がジーンブラスターでタイチを吹き飛ばし、そのまま小島に叩きつけて強引にカットに成功。さらに、小島とエルボー合戦を繰り広げる。辻は小島のラリアットをかいくぐり、ヒザ蹴り、トラースキックからショートレンジのジーンブラスターをズバリ。即座にトペスイシーダでタイチを場外に足止めした。息を吹き返したゲイブはランニングニーを小島の後頭部にねじ込むと、レッグトラップパイルドライバーで突き刺して3カウントを奪った。
辻&ゲイブは最終公式戦を制して5勝目。しかし、亀裂は修復できず、辻はゲイブを残してリングをあとに。ゲイブはタイチとにらみ合いを繰り広げた。一方、敗れたタイチと小島だったが、抱擁を交わして健闘を称え合うと、タイチは小島の手を掲げて、拍手を送った。
後半2試合の結果を受けて、辻&ゲイブがAブロック2位通過に。12・12鹿児島大会で行われる準決勝ではBブロック1位と対戦することになった。
個人の実力でなんとか今宵は勝利したものの、2人の関係はさらに悪化。ぶ然とした表情で先にバックステージに現れた辻は「おい、ゲイブ! いつまでやるんだよ。この前、俺が謝ったのを聞いてなかったのか? それとも、それだけじゃ足んねぇっつうのか、オイ!」と投げかけると、「なんのためにリーグ戦出てんだよ」と声を荒げた。
一方のゲイブも「チームってのはな、お前の都合だけで動くもんじゃねぇし、お前一人の問題じゃねぇんだよ」と吐き捨てると、「俺は誰からの指示もうけねぇよ!」と通告。「栄光を全てお前一人でもっていきたいなら、そのジーンブラスターでもかましてろ。今日の栄光は俺がもらう。俺たちを決勝に進めるのは、この俺だ。俺は俺のやり方でやるんだよ」と挑発的な言葉を連発した。
もはや修復不可能な状態になりつつある2人。準決勝に向けて、不穏な空気がさらに深まった。
【辻の話】「(※片ヒザをついて)オイ、ゲイブ! いつまでやるんだよ。この前、俺が謝ったの聞いてなかったか? それとも、それだけじゃ足んねぇっつうのか、オイ! オイ、なんのためにリーグ戦出てんだよ!」
【ゲイブの話】「チームってのはな、お前の都合だけで動くもんじゃねぇし、お前一人の問題じゃねぇんだよ。『ゲイブ、お前はこうしろ』、『ゲイブ、お前はこうあるべきだ』って? ふざけんな! 俺は誰からの指図も受けねぇよ! 分かるか? 俺はイカれてるんだよ! だからよ、栄光を全てお前一人で持っていきたいなら、そのジーンブラスターでもかましてろ。今日の栄光は俺がもらう。俺たちを決勝に進めるのは、この俺だ。俺は俺のやり方でやるんだよ」
【タイチの話】「(※先に来て倒れている小島に向かって)今までだったら、小島さんのこと、今、俺、殴ってたかもしんねぇ、先輩後輩関係なく。いろいろ言って組んできたけど、俺が10年後、この人の歳になった時、同じことできるかなって思うと分からねぇし、やっぱり過去にやってきたことは偉大だし、俺なんか比べ物になんないくらい、小島聡っていうのは上の存在。まだこうやって動けるうち、小島さんと最後まで一緒に組めて……まぁ最後だろうな。こうやって一緒に組むことができて、堂々の、堂々の最下位として胸張って終えたいと思います。小島軍の半年の絆は最下位。当然だろう。あんなクソユニットだったんだから。堂々の最下位だ。でも、今日は小島さんが決めて、小島さんの曲で帰りたかったけど、最後、あの粘りを見て、俺ん中には十分、小島さんの曲で帰ったと、胸張ってそう思います。結局、俺ら何も生まれなかったかもしれないし、予想通りだったかもしれないけど、まぁこれもなんかの運命だと思うんで、今後の俺のこれから24年選手になるんで、もっと小島さんみたいにね、この歳でも元気に動けるように、もっと俺も精進していきたいと思います。(※倒れている小島に手を差し出し)勉強になりました。勉強になりました。(※小島の手をグッと握って)また何かやりましょう。ありがとうございました。ハァ、2年連続最下位だ。『G1』も最下位、タッグリーグも2年連続最下位。トモさんの目にはどう映ったかな? またドン底から、あんまり時間ないかもしんないけど、残り時間、やっていきます。ありがとうございました」
【小島の話】「(※立ち上がって)凄ぇ悔しい。悔しさしか残ってねぇよ。この思いがまだ湧くとは思わなかった。悔しさだけが残るシリーズになりました。ということは、まだ俺はこの世界で生きていていいのかどうか分からないけど、ただ100%悔しさしか残ってない。この思いをまた大事に生きていこうと思います。ありがとうございました」

