
パエリアなどに使われる香辛料「サフラン」。
このサフランが男性の「勃起不全(ED)」の改善に役立つ可能性があることが、イラン・ラーレスターン医科大学(LUMS)の研究で示されました。
さらに「性欲」や「性交への満足度」など、性生活全体にまつわるさまざまな指標も向上も認められたようです。
研究の詳細は2025年12月の医学雑誌『Herbal Medicines Journal』に掲載されています。
目次
- サフランが「勃起不全」に効く?
- サフラン成分の秘密
サフランが「勃起不全」に効く?
研究は、イラン国内の企業に勤務する24人の男性を対象に行われました。
いずれも軽度から中等度の勃起不全(ED)を抱える18歳以上の既婚男性で、他の治療薬は使っていないことが条件です。
参加者の平均年齢はおよそ36歳でした。
この24名をランダムに2つのグループに分け、一方のグループにはサフラン15mg入りのカプセルを1日2回、4週間継続して服用してもらいました。
もう一方のグループは、治療を受けず「普段通りの生活」を続けました。
4週間後、研究チームは国際的な評価指標(IIEF)を用いて、勃起機能や性欲、性交満足度、オーガズムの質などを自己申告で測定。
その結果、サフランを摂取したグループでは、勃起機能のスコアが統計的に有意に改善し、性欲や性交満足度、全体的な満足度といった他の項目も明らかに向上していたのです。
特に注目すべきは、サフランの摂取による効果が「勃起機能」にとどまらず、「性生活の質」全般に広がっていた点です。
オーガズムの質についてだけは、対照群との明確な差が見られませんでしたが、それ以外の項目はすべて改善傾向が認められました。
サフラン成分の秘密
サフランには、クロシンやクロセチン、サフラナール、ピクロクロシンといった生理活性成分が豊富に含まれています。
これらの物質は、脳内の神経伝達物質に作用したり、血流を改善したり、性腺刺激ホルモンの分泌を促す働きがあると考えられています。
そのため、サフランが「心の元気」だけでなく「体の元気」にも影響を与える可能性が示唆されてきました。
またサフランは、ストレスの緩和や気分の改善、食欲コントロールなど、さまざまな健康効果でも注目される存在です。
しかし、今回の論文では「勃起不全」へのピンポイントな作用について、科学的に裏付けられた新しい証拠が加わりました。
一方で、この研究には注意すべき限界もあります。
対象人数が24名と小規模であること、産業系企業勤務の比較的若い男性が主だったことから、結果の一般化にも慎重さが求められます。
サフランは、古代から人々の暮らしを彩ってきた伝統の香辛料です。
その美しい色と香り、そして秘めた力が、現代の科学によって少しずつ解き明かされつつあります。
参考文献
Saffron supplements might help with erectile dysfunction, study suggests
https://www.psypost.org/saffron-supplements-might-help-with-erectile-dysfunction-study-suggests/
元論文
Effects of Saffron on Erectile Dysfunction in Men: A Randomized Controlled Trial
https://doi.org/10.22087/hmj.2025.231635
ライター
千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。
編集者
ナゾロジー 編集部

