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不振極めるリバプールで、サラーが爆弾発言。両者の関係修復は不可能にも見える。電撃退団も仕方ないだろう【現地発】

不振極めるリバプールで、サラーが爆弾発言。両者の関係修復は不可能にも見える。電撃退団も仕方ないだろう【現地発】


 リバプールに激震が走った。

 12月6日に行なわれたリーズ対リバプール戦。リーズの日本代表MF田中碧が劇的な同点ゴールを叩き込み、試合は3-3の引き分けに終わった。

 試合後、出番のなかったリバプールのモハメド・サラーは取材エリアで立ち止まり、「何と言っていいのか分からないが、信じられなかった。2点のリードを奪ったのに、馬鹿げたゴールを与えてしまった。無失点に抑え、勝利すべきだった」と話し始めた。そして、記者から「何が信じられなかったのですか?」と聞かれると、エジプト代表FWは次のように言葉を繋いだ。

「自分がベンチに90分間、座り続けたことが信じられない(苦笑)。キャリアで初めて、3試合連続でベンチに座ることになった。本当に、本当に失望している。長年このクラブのために多くのことをしてきたし、特に昨季はそうだった。それなのに今はベンチに座っている。その理由が分からないんだ。

 クラブに責任を押し付けられている気がする。そうとしか思えない。フー(ため息)。誰かが、全責任を僕に押し付けようとしているのは明らかだ。夏にクラブと多くの約束を交わしたが、今のところ3試合連続でベンチだ(苦笑)。約束が守られているとは言い難い。

 これまでずっと監督とは良好な関係だったのに、突然その関係がなくなった。理由は分からないが、今の状況を見ると『誰かが僕をクラブに残したくない』ように思える」

 時折笑みを浮かべながら、サラーは話し続けた。リラックスした様子ではあるものの、言葉の節々から強い不満が伝わってくる。まるで、これまで溜め込んでいた思いを一気に吐き出したかのようだった。
 
 爆弾発言はイングランド全体、いや世界中に広がった。

 英衛星放送『スカイスポーツニュース』は「ここで特大の速報です。モー・サラーが爆弾発言をしました」と報道。詳細を伝えると、他のニュースサイトも速報で“エジプト王”の言葉を報じ、SNSではSalahがトレンドワードに入った。冒頭で「リバプールに激震が走った」と書いたが、少なくとも英国全体を大きく揺らした発言となったのは間違いない。

 ただ、サラーの発言は「行き過ぎた行為」との見方が極めて強い。リバプールのクラブOBで、現在は解説者のダニー・マーフィーはこう指摘する。

「サラーの意見に賛同するかどうかは別の話だ。(選手が)こんな風に対処してはいけない。感情的になって怒ったり、フラストレーションを感じるのは当然のこと。ただ、内部にとどめておくべきだ。監督室のドアをノックしたり、オーナーやCEOに会ったり、どんなことでもして、彼らに不満を伝えればいい。今回、サラーはこう発言することで、チームと監督に大きな問題を引き起こした」

 クラブOBのマイケル・オーウェンも、やはりサラーの行動を問題視した。

「サラーの気持ちはよく分かる。長年このチームを牽引し、勝ち取れるものはすべて勝ち取った。しかし、フットボールはチームプレーだ。今回のような発言は公にすべきではなかった」と述べた。解説者のクリス・サットンはもっと辛辣で、「チームメイトと監督に対し、敬意を欠いている。恥さらし。自分はベンチメンバーにふさわしくないと考えているのだろう」と述べた。

 振り返ると、サラーはリバプールで輝かしいキャリアを築いてきた。

 2018−19シーズンは欧州CL制覇に導き、プレミアリーグでも2019-20、2024-25シーズンの優勝に貢献した。プレミアでは得点王を4度受賞。ユルゲン・クロップ体制の黄金期を支え、指揮官がアルネ・スロットに変わった昨シーズンも得点王とアシスト王のダブルを成し遂げた。

 しかし33歳で迎えた今シーズン、不振が続いている。枠内シュート成功率は、過去平均の41.4%から今シーズンは29%へ大幅に下落。シュート本数、ドリブル成功率、PA内でのタッチ数もすべて低下している。今季はここまで公式戦5ゴール(プレミアでは4ゴール)と、精彩を欠いている。
 
 とはいえ、リバプール自体が不振を極めている状況でもある。

 スポーツサイトの『アスレティック』は、今回の問題発言の前──つまり、1-1の引き分けに終わったサンダーランド戦(12月3日)の時点で次のように指摘していた。

「『サラーを先発させるべきか』との議論以上に、リバプール自体の問題の方がはるかに根が深い。プレッシングは皆無。パスが遅く、予測が容易に可能。まったく機能していない。新戦力のアレクサンダー・イサクは存在感がなく、出場した86分間でボールに触った回数はわずか14回だ。ポジティブと言える材料はほとんどなかった」

 このサンダーランド戦で、敵将レジス・ル・ブリは「あれほどのスペースと時間を与えられたことに少し驚いた」と、リバプールのパフォーマンスが予想以上に低調だったと述べた。英紙『デーリー・テレグラフ』も次のように伝えていた。

「リバプールは今、想像しがたい難題に向き合っている。守備組織が、あまりに脆弱。強度が低く、動きも鈍い。不安そうに見えるし、同じミスの繰り返しだ。タイトルを獲得したチームの片鱗はどこにも見えない」

 在籍年数9年目を迎えたサラーだが、「ミックスゾーンで取材に応じない選手」として知られている。これまでの約8年半で、サラーが取材エリアで立ち止まった回数は3回。最後に取材に応じたのは、契約問題に揺れた24年11月のことだ。この際にサラーは、翌年6月に切れる自身の契約について触れ、「残留のオファーは来ていない。だから残留よりも退団だろう」とし、この発言で契約更新に本腰を入れていないクラブに揺さぶりをかけたと見られている。
 
 今回のリーズ戦の発言は、感情を抑えられずに発したようにも思えるが、サラーがミックスゾーンで立ち止まって話す際には「何かしらの策略がある」(英紙『ガーディアン』のジョナサン・リュー記者)との指摘もある。サラーは何を考えて、今回の発言に踏み切ったのか。

 ただ一方で、状況を俯瞰すると、リバプールとサラーの関係修復はもはや不可能にも見える。冬の移籍市場で電撃退団となっても仕方ないだろう。リーズ戦後、サラーはこう話した。

「昨日の時点で先発から外れるのは分かっていた。昨日、母に電話し、13日のブライトン戦に家族を招待した。この試合に出られるかどうか分からない。だが、アンフィールドでファンに別れを告げてから、アフリカ選手権に向かう。なぜなら、その後に何が起こるか分からないから」

 サラーは、14日からアフリカ選手権に参加するエジプト代表に合流予定で、そのまま冬の市場で退団する可能性があると明かした格好だ。

 サラーの輝かしいキャリアを思うと、アンフィールドをこうした形で去ることになるのは寂しいかぎりだ。同時に、プロ選手として今回の発言が行き過ぎた行動であることも間違いない。

 果たして、サラー騒動はどのような結末を迎えるのか。引き続き、動向に注目したい。

取材・文●田嶋コウスケ

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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