日本ハムから巨人にFA移籍した松本剛のひと言が、大きな反発を招いている。巨人入りが正式に発表された11月27日から10日後の12月6日、札幌市内で行われたトークショーに登場した松本は、かつての仲間から届けられたサプライズ映像に涙ぐみながら感謝を述べた。そして最後に「また必ず北海道に戻ってきます」。これがマズかったのだ。
本人としては、長く過ごした古巣への思いを率直に伝えたのかもしれないが、FAは自ら次の舞台を選ぶ制度であり、移籍直後のタイミングで「戻る」と口にすれば、巨人を単なる「通過点」のように捉えていると受け取られかねない。なぜそれをこのタイミングで言うのか、だ。
炎上が一気に広がった背景には、松本のXアカウントが突如として削除されたこともある。12万人以上のフォロワーを抱えていたものの、移籍発表後に批判的な投稿が増加。松本自身はこれ以上、追及されるのを避けたいと考えたのか、自らアカウントを閉じたとみられる。擁護する声はあったが、厳しい反応の方がどうしても目立っていた。
日本ハムへの思いを語ったタイミングが、FA移籍直後というデリケートな時期と重なった。移籍の時期はどんな言葉でも過敏に受け取られやすく、意図しない形で広がってしまうことは珍しくない。
松本にとっては、ここからが本当の勝負となる。「もう一度首位打者を」という目標を実現できるかどうかは、巨人でのプレー次第。2026年シーズンは、その実力と覚悟が試される1年になる。
(ケン高田)

