2年後の2027年にオーストラリアであるラグビーワールドカップの予選組分け抽選会が12月3日にあった。世界ランク12位の日本代表はプールEで5位のフランス代表、16位のアメリカ代表、19位のサモア代表とぶつかる。
約9年ぶりに復帰して2シーズン目のエディー・ジョーンズヘッドコーチは「ワールドカップまでに(1人あたりの代表戦出場数が)40キャップくらいになっていれば」。就任と同時に大幅に若返らせ、鍛えたスコッドへ、引き続き実戦経験を与えるつもりだ。別の場所ではこう述べた。
「長くジャパンで練習してきた選手は身体面も、学ぶ姿勢も(他と)違う。(新参者が)このスコッドに入るには、ただならぬ努力をしなくてはならない」
この狭き門をくぐりうるタレントは誰か。13日から各地で始まる国内リーグワン1部の出場選手から、有力な代表未経験者の一部を紹介する。
(カッコ内は所属先/ポジション/身長・体重/年齢)
●ルアン・ボタ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/ロック/205センチ・120キロ/33歳)
ワールドカップまでにもっと層を厚くしたいポジションは。そう問われたジョーンズはまず「ロック」。ワーナー・ディアンズ主将を怪我などで欠いた場合を想定して述べた。
身長2メートル台がひしめくこの位置へ立候補しうるのが、18年に来日の南アフリカ人だ。豪快に走者を掴み上げる守り、ストライドの大きな走りが光る。ジョーンズは、体調が万全なら今年の活動に参加させたかったひとりにこの人を挙げている。
昨年、国際統括団体のワールドラグビーがルーツを持たぬ外国での代表資格獲得を「連続居住5年以上」から「連続協会登録5年以上」に変更。それまで一時帰国が多かったため資格をもらえなかったボタも、いまや有資格者だ。
「日本代表入りは私の夢のひとつ。チャンスが来たらノーとは言いません」
●ラクラン・ボーシェー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/フランカー/190センチ・104キロ/31歳)
強烈なタックルと器用なオフロードパスで組織を支えるうえ、何より地上でのターンオーバーが圧巻。一度球に食らいつけば簡単にはがれない。母国ニュージーランドでも代表待望論があったものの、情勢を鑑み21年に来日していた。首や肩回りにチューブで圧をかける「プレリハビリ」で怪我を予防し、淡々と働く。
代表入りへは「もし(代表に)選んでいただけた場合は、頑張りたいです。ただし私のフォーカスは、パナソニックのために自分の一番いいプレーをすることです」と慎重な構えだ。
「与えていただいている環境を当たり前なものだとは、決して思っていません。いまを頑張り、(国際舞台での)チャンスが来たらそこでベストを尽くしたいです」
●ハニテリ・ヴァイレア(三菱重工相模原ダイナボアーズ/センター/181センチ・98キロ/23歳)
ジョーンズは「ロック」のほか「アウトサイドセンター」も補強ポイントに挙げる。副将で絶対的存在のディラン・ライリーのバックアップを探しているような。
こちらの若きトンガ人は、リクエストにかなうスキル、フィジカリティを有する代表資格保持者である。日本の青森山田高、大東大で学んだとあり日本語も流暢。こちらも現代表の求めるヒューマンスキルと合致する。
「下から(上位チームに)上がっていくチームで成長したい」からと入ったダイナボアーズでは、実質0年目の昨季から出番を得た。力を示した。今季は現代表のチャーリー・ローレンスとインサイドセンターの位置を争いながら、南アフリカ代表アウトサイドセンターのルカニョ・アムからも多くを学べそうだ。
●谷山隼大(埼玉パナソニックワイルドナイツ/センター/184センチ・95キロ/24歳)
最近のラグビーで増えているのが高いキックの捕球合戦。他国より後衛の身長で劣る日本代表にとって、ここはアキレス腱となりうる。昨秋のキャンペーンではやや改善傾向が見られたものの、「しっかりしたシステムを構築し、いま以上の獲得率にすることで勝機が見える」とジョーンズは訴える。
中学時代に走り幅跳びをしていたこの若者は、抜群のばねと躊躇のなさで制空権を握る。筑波大時代はナンバーエイトを務めるなど万能で、件のエアコリジョンが増えるウイング、フルバックでもスタンバイできるだろう。ジョーンズは今夏の時点で、この人の存在について「いま彼(を選ぶ)というわけではなかった」と答弁。季節を経て、その印象は変わるか。
●アイザック・ルーカス(リコーブラックラムズ東京/スタンドオフ・フルバック/179センチ・84キロ/26歳)
今年代表入りしたロックのハリー・ホッキングス(東京サントリーサンゴリアス)と同時期に来日し、リーグワンでは通算2度のベストフィフティーン入り。防御のわずかな隙間を一瞬で切り裂く走り、オフ・ザ・ボールでの運動量が持ち味だ。
「僕の役割は試合中に忙しくしていることです。色々なプレーに関与する。それができるだけのフィットネスがあることが大事です」
昨季のリーグワンでは怪我などで6試合のみの出場と不完全燃焼。この国での代表資格を得ながらナショナルチームに選ばれなかった。あと1歩でプレーオフ行きを逃したことも踏まえ、「(新シーズンは)個人としてもクラブとしてもいい位置に」。李承信が不動の存在となっているジャパンのスタンドオフ争いに参加したい。
構成●THE DIGEST編集部
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