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【コラム】DAZNのF1中継が”一旦終了”。日本中の皆さんにもっとF1を楽しんでもらえる、そんな未来が訪れることを願う

【コラム】DAZNのF1中継が”一旦終了”。日本中の皆さんにもっとF1を楽しんでもらえる、そんな未来が訪れることを願う

2025年のF1シーズンが終了した。マクラーレンのランド・ノリスがチャンピオンに輝き、一時は大きく遅れを取っていたレッドブルのマックス・フェルスタッペンが最後は2ポイント差まで追い上げるという、最後まで目が離せない、実に面白いシーズンであった。

 今シーズンをもって、様々な”さよなら”があった。ルノーPUやザウバー、DRSなどがF1から姿を消し、角田裕毅も今季限りで一旦F1レギュラーシートを離れる。

 そしてDAZNでのF1中継も、2025年限りで一旦ピリオドが打たれることになった。

 DAZNでのF1中継は2016年の8月にスタート。最初のグランプリは、ベルギーGPであった。それから9年半。それまでとは異なる配信スタイルで、日本中にF1を届けてきた。

 私も配信開始当初から、解説者のひとりとして携わらせていただき、実に貴重な体験の数々をさせていただいた。

 長きにわたってお付き合いいただいた視聴者の皆様、本当にありがとうございました。また、ご一緒させていただいた実況/解説陣の皆様、そしてコンテンツの制作に尽力されたDAZNスタッフの皆様や関係各所の皆様にも、心から感謝申し上げたい。

 そして、今年ご逝去された小倉茂徳さん。一緒にF1 LABという番組をご一緒させていただいたりと、大変お世話になりました。改めてご冥福をお祈りいたします。最後のレースとなったアブダビGPの決勝終了後には、出演陣、スタッフの皆さんと共に、小倉さんに黙祷を捧げさせていただいた。

■もっと多くの方がF1を楽しめるように

 DAZNがF1の中継を行なったことによって、新たなF1ファンの獲得に大きく寄与したことは間違いないだろう。サッカーや野球など、他のスポーツを目当てにサービスに加入した人たちがF1の中継に触れるということも少なくなかったはず。DAZNがきっかけでF1を見るようになったという方も、少なくないのではなかろうか。

 F1ファン以外の方にF1を知っていただくというのは、とても重要なことだ。かつての日本には、F1ブームと呼ばれる時期もあった。しかし最近ではそれも落ち着き、街を歩いていても、テレビを観ていたとしても、F1に触れる機会はそうそうなかったと思う。しかしDAZNは、F1ファンではない方々にF1の魅力をお届けする、その役割を十二分に果たす存在だったように思う。

 これは近年のF1が重視してきたことだ。アメリカでの人気拡大の火付け役は、NetflixのF1ドキュメンタリー番組の成功だったと言われるが、日本ではその役割の一部を、DAZNが担ったと言っても過言ではないだろう。

 ただそれでも、日本でのF1露出、F1人気は、まだ満足できるレベルには達していないというのも事実だ。もっともっと、その人気を拡大していかなければいけないし、その余地は十二分にあるはずだ。

 F1のオーナー企業であるリバティメディアのデレク・チャンCEOは以前、こんなことを語っていた。

「今重要なのは、日曜日のレース中の1時間半の放送枠の中で何が起きるかということだけではない。常にONであること……つまり常に存在感を示すことだ」

 おそらくF1は、日本でもこの「常にON」を実現したいと考えているはずだ。そのための施策を、様々構築していくつもりなのであろうと想像している。

 そして多くの皆さんにF1をはじめとしたモータースポーツをより楽しんでいただくことは、我々が目指すところと同じ。皆様に楽しんでいただける情報・コンテンツを、今後もお届けしていかなければと、今回改めて気を引き締められたところだ。

 まず今は、DAZNの配信にお付き合いいただいた視聴者の皆様、そしてご一緒させていただいた関係者の方々に、改めて御礼を申し上げます。またどこかでご一緒できれば幸いです。そして日本中の皆さんがF1を毎日のように楽しむ、そんな未来がやってくることを、心より願っています。

 なおDAZNでは、12月10日(水)にWednesday F1 Timeの最終回を配信予定。こちらもお見逃しなく。

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