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「攻撃の放棄ではなく、むしろ進化」 名将ペップ、アーセナル戦で超守備的な戦術選択も国内外メディアは好反応!「今も新戦術を生み出せる才能の証明」

「攻撃の放棄ではなく、むしろ進化」 名将ペップ、アーセナル戦で超守備的な戦術選択も国内外メディアは好反応!「今も新戦術を生み出せる才能の証明」

現地9月21日に行なわれたプレミアリーグ第5節、マンチェスター・シティがアーセナル戦(1-1)で見せた戦いぶりは、見る者を驚かせ、また物議を醸した。

 アーリング・ハーランドが開始9分で先制ゴールを奪う幸先の良いスタートを切るも、後半アディショナルタイムにガブリエウ・マルチネッリの同点ゴールを許してしまったアウェーマッチで、ジョゼップ・グアルディオラ率いるチームはボールポゼッション32%という、同監督の体制においては過去最低の数字を記録した。

 チーム状況を鑑み、攻撃力での勝負ではなく、リードを(あるいは勝点を)守り抜く作戦を選択し、「5-5-0」というフォーメーションを採用したペップに対して、日刊紙『Daily Telegraph』のように「彼は現実主義に身を委ねてしまったようだ。新しい戦い方を見出したとも解釈できるが、むしろ裏切り行為に映った」と、失望感を示すメディアもあった。
  2008年にバルセロナの監督を務めてから、その革新的かつ攻撃的な戦術でサッカーを芸術の域に高め、数々の伝説を生み出して、歴史を変えてきた稀代の名将は、今回の「ジョゼ・モウリーニョ的なゴール前にバスを停める戦術」(『Daily Telegraph』紙)について、以下のように採用の理由を明かしている。

「我々は疲れており、何かを“発明”しなければならなかった。本当なら守備に引き籠りたくはない。しかし、このレベルではそれも必要だ。幾つかの試合では、そういった状況に適応しなければならない。相手がより強い時には、より深く守り、カウンターを狙う。たとえ、それが我々の意図するスタイルでなくても、だ。アーセナルはここ2シーズン、リーグ優勝を争い、チャンピオンズリーグでも準決勝に到達したチームだ。そういう相手には、引き籠らざるをえないのだ」

 名将の苦悩が窺えるコメントだとも言えるが、彼の決断に対してはポジティブな見方も少なくはない。マンチェスターの地元紙『Manchester Evening News』は、その戦法に対しては「全盛期のモウリーニョのような、カウンターからのゴールと時間稼ぎという『教科書』を実行した姿だった」と、やや皮肉りながらも、それによって得られた収穫にも言及した。「このプレーは試合のほぼ全体を通じて非常に上手くいき、アーセナルは同点ゴールを含めても、得点期待値が1.0未満に止まった。また、ジェレミー・ドク、アブドゥコディル・フサノフ、ニコ・オライリーといった選手たちが、これまでで最も大きな挑戦のひとつに対応して、成長している兆しも見られた。その進歩の大部分は選手たちの功績だが、同時にペップの指導の下で選手が成長するという、長年の伝統を継いでいるとも言える」

 昨季、一度も勝てなかった相手に対して勝利に大きく近づいた事実を「明確な進歩」と評する同メディアは、「日曜日の戦いは、ペップが『極端なアプローチの変更で理性を失った』ものではなかった。むしろ、ここ1年間に向けられてきた多くの批判に対し、彼が依然として新しい戦術を生み出せる才能を証明するものとなった」と結論付けている。

 これに賛同したのは、守備的サッカーの元祖であるイタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』で、「守備に徹するのは何の恥でもない。たとえ、ペップが攻撃サッカーの預言者と認識されていても。もしボール支配率32%で試合を終え、アーセナルの本拠地から勝点1を持ち帰るために『バスをゴール前に置く』戦いをしたとしても、それは単に今のマンCにそれ以上の戦術展開ができないのだから仕方がない」と割り切って、スペイン人指揮官は今なお状況に合わせて進化を遂げていると強調した。
 「彼は自らの攻撃サッカーを放棄したのではない。むしろそれは進化であり、毎シーズン彼は新しいものを試し、異なる戦術を実行してきた。その柔軟な思考は、多くの(自称)弟子たちには欠けている。彼らは極端な戦術の奴隷となりがちだが、ペップはそれを避ける。これが今のマンCのレベルであれば、彼はそれに適応する。DFを5人並べ、前線にはFWを1人も置かない『5-5-0』のフォーメーションで試合を終える選択も恥じじゃない」

 同メディアは、ペップがかつて「偽9番」を発明し、CFの選手を厳しく扱ってきたが、ハーランドという優れたストライカーを手にした際には、迷わず彼を中心にチームを構成する柔軟性を示し、多くのタイトルを勝ち取った事例も紹介。また今夏には、これまで好んで起用してきた「足技のあるGK」ではないジャンルイジ・ドンナルンマを『世界最高の守護神』として歓迎した姿勢も、ペップの特性を示す一例として、実際にそれが好結果に結び付いていると指摘する。

 そして、「ペップは常に変わり続ける。勝利を目指す方法はひとつではないからだ。そして彼は、常に他の者たちより先にそれを理解する。その後で、多くの者が真似しようとする。しかしファビオ・カペッロが指摘しているように、『彼らはペップが10年前にやっていた戦術をやっているだけだ』。違いはそこにある。コピーしようとする者と、自分の考えを突き進める者――ペップの考えは、ほとんどが常に成功を収めている」と記事を締めている。

構成●THE DIGEST編集部

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配信元: THE DIGEST

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