女性3人組メタルダンスユニット・BABYMETALをめぐり、音楽評論家・湯川れい子氏の発言が波紋を呼んでいる。
きっかけは9月16日のXへの投稿だった。湯川氏は過去に「BABYMETALは好き」と語っていたが、今回のポストでは彼女たちのステージについて「人形浄瑠璃のように、3人のメンバーの後ろで音を出しているのは、姿を隠している男のミュージシャン達です。では彼女達は何かと言ったら、綺麗、可愛い、振りが上手い。私はまるで卑弥呼のような、彼女達の強烈な美しさと若さに惹かれて、それを評価している1人です」と説明。その上で「でも、それって決して音楽的な実力でも、魅力でもありませんよね。実にジェンダー的な、水商売的な評価だとも言えるでしょう」と評した。
この「水商売」という言葉が一部のファンに強い反発を招いた。「差別的では」との批判が相次ぎ、炎上状態になったのだ。湯川氏はすぐに「水商売は、広義では人気商売を指す言葉ですから、決して差別的な発言だとは思っておりません。私も、いはば水商売のひとりです」と説明を補足したが、意図が十分に伝わらず誤解を広げる結果となった。
実際、BABYMETALは今年8月に発表した最新アルバム「METAL FORTH」が米ビルボードアルバムチャートで9位に入り、日本人グループとして史上初の快挙を達成。世界的に高い評価を受けていることから、ファンが敏感に反応したのも理解できる。
ただし、湯川氏の発言の根底には「ルックスや若さも含めた総合的な魅力がBABYMETALの強み」という視点があるようにも見える。長年、米チャート番組を手掛けてきた経験を踏まえれば、決してグループの実力そのものを否定した意図ではないだろう。
湯川氏は後日「私がBABYMETALを最後に見てから、もう10年にはなりますものね。もはや何かを言える立場ではありません」と自省を込めた投稿を行っている。今回の一件は、言葉の選び方次第で誤解が広がることを改めて示した形だ。
(石見剣)

