どちらが本当なのか。それはやす子の「二面性」がクローズアップされる出来事だった。
12月8日深夜に青森県東方沖で発生した震度6強の大地震。その直後、彼女はXで迅速に防災情報を発信し、その実用性と情報発信力は1320万ビューを超える反応を生んだ。
〈地震大丈夫ですか!?余震があるかもしれません!!〉
そんな呼びかけから始まった投稿には、
〈お風呂の水は抜かない〉
〈枕元やすぐそばに靴を置く〉
〈ガス臭くなったら避難〉
といった具体的で実践的な情報が列記。〈津波注意報=警戒〉〈津波警報=即避難〉と、その違いまで明確に区別して伝えていた。フォロワーから「こういった具体的指示はとてもありがたい」と感謝の声が次々と上がるのは当然だった。さすが、自衛隊魂である。
だが皮肉なのは、このタイミングである。同日放送の「呼び出し先生タナカ」(フジテレビ系)では、やす子がSTARTO ENTERTAINMENTのジュニア内グループ「KEY TO LIT」猪狩蒼弥に「だからデビューできないんだよ!」と繰り返しヤジを飛ばしていた。
具体的な流れを説明しよう。番組で出題された東京ディズニーランドの問題で猪狩が不正解となり、関係ない豆知識を披露した際、やす子は大声で「だからデビューできないんだよ!」とイジる。猪狩が「もうやめろよ!」と必死に制するも、やす子は頭を抱えながら「だからデビューできないんだよ~!」と繰り返したのだ。
番組終盤でも猪狩が「今年話題になった人」クイズで2位に終わった時に同じヤジを飛ばすと、猪狩は「2位だぞ、俺!」と憤慨していた。
批判が集中した背景には、猪狩の置かれた状況がある。彼はもともと2015年結成のHiHi Jetsで活動していたが、今年2月にSTARTO社が3グループを再編。デビュー間近とされていたHiHi Jetsは解散し、猪狩はKEY TO LITで新たにスタートを切った。つまり、デビューの夢は「振り出しに戻った」のだ。
そうした炎上批判騒動があった矢先の誠意ある地震対応だっただけに、やす子の本当の性格はどちらなのかと、戸惑う人がいたのである。「呼び出し先生タナカ」はあくまでバラエティー番組の範疇での出来事として、笑って済ませればいいのだが、そうもいかないのが最近の視聴者のようで…。
(野田おさむ)

