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「中絶より簡単!」10代女子の避妊1位は「アフターピル」? 蔓延する“短絡的な後始末 ”の代償

「中絶より簡単!」10代女子の避妊1位は「アフターピル」? 蔓延する“短絡的な後始末 ”の代償

画像はAIで生成したイメージ

今では高校生でも「セフレ」を持ったり、行きずりの相手や交際相手以外との性交渉に抵抗がなくなっている。そのためか、10代~20代前半の若者の間では避妊に対する意識に急速な変化が起きている。

「緊急避妊薬(通称:アフターピル)の処方を求める若い女性が急増しているんです」と話すのは、東京都内でレディースクリニックを経営する女医・Aさん。

アフターピルとは排卵を遅らせて受精を防いだり、子宮内膜の増殖を抑制することで着床しにくくする効果があり、性行為後72時間以内(製品によっては120時間以内)に服用することにより、高確率で妊娠を回避できる薬剤である。

従来は「避妊に失敗してしまった」時や「性加害に遭った」など、やむを得ない事態における「望まない妊娠」を避けるために処方されるものだったが、昨今、若い世代はアフターピルに対する認識がどうも違っているようだ。

「『後でアフピルを飲めばOK!』と性行為時の避妊をおろそかにする人が増えてますね。今はオンライン診療を使えば簡単に入手できますから。即日発送は当たり前ですし『最短1時間でお届け』みたいなサイトもあります。健康保険が効かない自費診療なので1回分で1万円~2万円近くすることもあるのですが『中絶するより全然安いし、簡単』くらいに気楽に考えているんです」

確かに「望まない妊娠」をして、絶望的な気持ちで産婦人科の門をくぐるより肉体的・精神的な負担は少ないだろうが、アスターピルにも副作用のリスクがつきまとう。

「一番ポピュラーなのが吐き気です。つわりのような状態になる人もいます。他に倦怠感や頭痛、月経出血量の増加又は減少、下腹部痛、性器出血などがあります。副作用が『まったくなかった』という人は私が知っている限りおりませんし、逆に重篤な状態に陥って寝込んでしまったり、日常生活に差し支える人を何人も見て来ました」

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独自調査でも「アフピル」が避妊の1位に

アフターピルを買い置きしたり、サプリメントや常備薬のように携帯している若者もいるようで、この蔓延ぶりにA医師は「リスクしかない」と警鐘を鳴らす。

「まず性感染症です。コンドームと違って、アフターピルでは感染を防ぐことはできません。実際、若い世代の性感染症は増えていますし、複数の感染症を併発している例も珍しくありません。繁華街ではアフターピルを売買する人たちもいますが、高額で売りつけたり、正規品ではなく偽薬や劣悪品が取引されることもあります。アフターピルの存在が性交渉へのハードルを下げている印象も否めません」

ちなみに筆者がSNSを介して18歳~22歳の女子50人に「避妊手段」について聞いたところ、「アフターピル」と回答した人が21人ともっとも多く、「コンドーム」と回答した17人を上回っていた。その次が「膣外射精」(8人)「安全日」(4人)という結果だった。

安価かつ容易に入手できて、性感染症も防げるコンドームよりもリスクの多いアフターピルを選択した理由としては「ゴムを持ち歩くのは恥ずかしいけど、アフピルだと気にならない」「彼氏がゴムを付けずにやりたがるから」「コンドームはつけるタイミングが難しくて面倒くさい」などの回答が寄せられた。

一部のドラッグストアでは店頭販売が認められているようだが、アフターピルを重宝する背景には、目の前のリスクとは向き合わず「後で何とかすれば良い」という、短絡的な考えが潜んでいるような気がしてならない。

取材・文/清水芽々

清水芽々(しみず・めめ)
1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。
配信元: 週刊実話WEB

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