
先日ローンチが発表されたギャガ株式会社新設のアートハウス映画レーベル「NOROSHI」の第1弾作品となる本作。2025年、第78回カンヌ国際映画祭で本映画祭最長19分間に及ぶ圧巻のスタンディングオベーションで会場を沸かせて最大の熱狂を巻き起こすと、堂々のグランプリ受賞した。本年度アカデミー賞ノルウェー代表作品に選出のほか、本賞各部門でもフロントランナーとの呼び声も高い話題作がついに公開となる。第94回アカデミー賞で脚本賞、国際長編映画賞の2部門にノミネートされた『わたしは最悪。』のトリアーがメガホンをとり、愛憎入り混じる“親子”という名のしがらみを描きだす本作。主演には再びレナーテ・レインスヴェを迎え、映画監督の父親役には名優ステラン・スカルスガルド。さらに、本作の演技で脚光を浴びるインガ・イブスドッテル・リッレオース、エル・ファニングらが参加する。
北米で大ヒットを記録し、現在世界各国の映画祭で評価を得ている本作だが、米国時間12月8日に発表となった第83回ゴールデン・グローブ賞で主要部門7部門で8ノミネート。ノミネートされたのは、作品賞(ドラマ部門)、主演女優賞(ドラマ部門/レナーテ・レインスヴェ)、助演男優賞(ステラン・スカルスガルド)、助演女優賞(エル・ファニング、インガ・イブスドッテル・リッレオース)、監督賞、脚本賞、非英語作品賞となる。
トリアー監督は自身の名前での監督賞、脚本賞共にゴールデン・グローブ賞初ノミネートとなり、監督作品においても作品賞、非英語作品賞で初ノミネート。また、レインスヴェはゴールデン・グローブ賞初のノミネートとなり、スカルスガルドはテレビ部門で2020年に助演男優賞を受賞しているが、映画部門では初のノミネート。さらに、ファニングも過去にテレビ部門で3度ノミネートされているが、映画部門では初となり、初受賞となるか見どころだ。また、本作で一躍脚光を浴びたリッレオースも助演女優賞にノミネートされており、1作品から同賞に2人ノミネートされるという快挙を達成。インディーズ作品にして、最多の『ワン・バトル・アフター・アナザー』(25)に次ぐノミネート数となった。
賞レースでいっそう勢いを増していくこと間違いなしの本作。トリアーが描きだす複雑かつ緊張感に満ちた人間模様をぜひ劇場で目撃したい。
文/鈴木レイヤ
