現地12月６日に行なわれたプレミアリーグ第15節で、リーズ・ユナイテッドは王者リバプールと３-３で引き分けた。前節のチェルシー戦（３-１の勝利）に続いて貴重な勝点を奪取した一戦で、殊勲の同点ゴールを挙げたのが途中出場の田中碧だった。
前節、待望のプレミア初得点を記録した日本代表MFは、ユーゴ・エキティケの連弾でリバプールに２点のリードを許していた65分にピッチに登場。ここから73、75分と自チームが連続ゴールで追いつき、80分に再び引き離されるという目まぐるしい展開の後、アディショナルタイムに突入してから６分、CKがファーポストに流れたところでフリーの田中がダイレクトボレーでゴールネットを揺らし、劇的な結末を演出した。
リーズは公式サイトで、「リーズは前線に人数をかけ続け、95分には２本のCKを獲得。その２本目、アントン・シュタッハのボールはファーサイドに流れると、そこにいたのは田中だ！ 日本代表MFはバウンドしたボールに対して左足を思い切り振り抜き、力強くゴールに叩き込んだ。リーズに同点ゴールをもたらし、観客の耳をつんざくような大歓声がエランド・ロードを包み込んだ」と伝えている。
現地メディアの報道を見ると、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』は「リーズが０-２から反撃。激しくスリリングな展開となった後半は、残り10分でドミニク・ソボスライがリバプールに勝ち越しゴールをもたらしたが、試合はまだ最後のドラマを残していた。CKからファーサイドに流れたボールを田中が押し込み、再び同点として、ダニエル・ファルケ監督にとってほぼ完璧な一週間を締め括った」と綴った。
英国公共放送『BBC』は、「途中出場した日本代表MFが、後半アディショナルタイム６分にゴールを決め、ホームのサポーターを歓喜の渦に巻き込んだ」とレポート。同メディアの視聴者による採点では、田中が両チーム最高の「8.04」となり、「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」に選定されている。
日刊紙『The Sun』は、「３日前のチェルシー戦で衝撃的なゴールを決めていた日本のスターがリーズに同点弾をもたらした。田中は終盤のCKから再びヒーローとなり、得点を決めた」と報じ、「スタンドは大混乱のような盛り上がり。その一方でアルネ・スロット監督はただ肩を落として頭を垂れるしかなかたった。それはスロットとリバプールにとって見慣れた光景となりつつある」と、失意の結末を迎えたアウェーチームにも言及した。
一方、『The Mirror』紙はこの一戦の「６つのポイント」のひとつに「田中が勝点をもぎ取った」事実を挙げ、「マンチェスター・シティ相手に引き分けを掴みかけ、チェルシーに３-１で勝利。リーズには自信を持つ理由があった。２-３で敗れたシティ戦は、“苦しいほど遅い時間帯”（90＋１分）に失点してしまったが、この土曜日は立場が逆転。90＋６分にCKから田中が同点弾を叩き込み、貴重な勝点を奪取した」と記している。
『Daily Mail』紙は、「ヒーローは田中だ！ 彼のシュートがネットを揺らした瞬間の、あの純粋な喜びを見てほしい。観客の歓声を聞いてほしい、リーズの選手たちの顔に浮かぶ笑顔を見てほしい。田中には、心から大きな賛辞を贈りたい。彼にはシュートを打つまでに、たっぷりの時間があった——それはリバプール守備陣に対する疑念を一段と広げるが——。そして見事にフィニッシュを決めた」と称賛した。
リーズの地元メディアもこぞって田中を称賛。『The Yorkshire Post』は10点満点の採点でチーム最高タイの「８」を田中に与え、『Yorkshire Evening Post』紙は「ボール扱いがうまく、同点ゴールを決める際は非常に落ち着いていた」と評し、同じくチーム最高タイの採点「８」を付けた。
総合サイト『Leeds Live』は単独最高となる「９」を背番号22に付与。「より創造性と意図のあるプレーをチームにもたらした」と、その影響度の高さを強調し、決勝ゴールに対しても「シュートを叩き込む際、素晴らしい落ち着きを見せた」と記している。
リーズのクラブ専門サイト『LeedsUnitedNews』は、「チェルシー戦であれほど素晴らしいパフォーマンスを見せた後だっただけに、田中のベンチスタートにファンはがっかりしたが、ファルケ監督は日本代表MFを休ませる選択をした。そして途中出場後、チームが試合の主導権を握る助けとなり、出場から10分以内に２点を奪う展開に貢献。96分には見事なフィニッシュで勝点１をもぎ取るヒーローとなった」と振り返り、採点は「７」とした（チーム２番目タイ）。
構成●THE DIGEST編集部
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