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レッドブルを翻弄した、マクラーレンの”戦略”……装着タイヤを2台で分け、フェルスタッペンを苦しめた。メキーズ代表「驚いた」

レッドブルを翻弄した、マクラーレンの”戦略”……装着タイヤを2台で分け、フェルスタッペンを苦しめた。メキーズ代表「驚いた」

レッドブルのローレン・メキーズ代表は、2025年のF1タイトル争いを決定付けたアブダビGPにおけるマクラーレンの戦略を賞賛。この戦略により、レッドブルとマックス・フェルスタッペンはレース中、難しい決断を迫られることになった。

 ポールポジションのフェルスタッペンは、ミディアムタイヤを履いてアブダビGPのスタートに挑んだ。しかし2番グリッドと3番グリッドに並んだマクラーレン勢のふたりは、戦略を分けた。2番手のランド・ノリスはミディアムタイヤを履いた一方で、3番グリッドのオスカー・ピアストリはハードタイヤを選択したのだった。これによりピアストリは、第1スティントを長く走ることができることになり、セーフティカーが出動するなどした場合には、勝利を掴める可能性もあった。

 ピレリの推奨する戦略は、最初のスティントでミディアムタイヤを使うことだった。レッドブルは、フェルスタッペンにその作戦を取らせた。しかしピアストリがハードタイヤを履いたことに驚いたと、メキーズ代表は語った。

「彼らとしては、かなり賢い選択だった」

 そうメキーズ代表は語った。

「彼らに多くの選択肢を与え、最終的には我々に、勝利を争う上でのふたつのシナリオを与えた。だから、確かに予想外だったんだ」

 ピアストリは1周目にチームメイトのノリスを抜き、2番手に浮上。そして長いスティントを走るのは明らかだったため、ノリスが早々にピットインしても、フェルスタッペンとしてはおいそれと反応することはできなかった。ピアストリが優勝したら、ノリスが相当ポジションを落とさない限り、フェルスタッペンがチャンピオンになる可能性はなかったからだ。

 とはいえミディアムタイヤのフェルスタッペンは、ハードタイヤを履くピアストリよりも第一スティントを長く走ることは不可能であった。唯一対抗しうる策は、ミディアムタイヤでできるだけ長く走り、1ストップでレースを走り切ること。しかも、ピットストップした後にもできるだけのペースで飛ばして、先頭で勝利することだった。

 本来ならばフェルスタッペンは、できるだけペースを落として後続を封じ、シャルル・ルクレール(フェラーリ)をはじめとした他チームのマシンに、ノリスをオーバーテイクさせるという戦略を採りたかったはずだ。しかしマクラーレン勢のふたりが異なる戦略を採ったため、この策を講じることができなかった。

 この策は、2016年のアブダビGPで、当時メルセデスのルイス・ハミルトンが、チームメイトのニコ・ロズベルグからチャンピオンの座を奪うために、後続のマシンに攻略させようとした戦略と同じである。

 ただマクラーレンの戦略により、この可能性は封じられた。

 ノリスに合わせてピットストップする可能性があったのかと尋ねられたメキーズ歩代表は、次のように語った。

「あのタイミングでピットストップすることは可能だった。しかしそれは、我々にとって正しい選択だとは思わなかった」

「その戦略を採れば、かなり大きなアドバンテージを失うことになっただろう。今日の状況では、戦術を駆使しても優位に立てるとは思えなかった。だから、アドバンテージを最大限に活かし、レースに勝つことに集中した。そのため、ステイアウトすることを選んだんだ」

「後方の状況は、我々にはコントロールできない。だからその選択肢について議論したが、我々は自分たちのプランを貫くことにしたんだ」

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