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抜かりないフェルスタッペン……ハードタイヤでスタートしたのは「モンツァのようなリスク」を避けたかったから

抜かりないフェルスタッペン……ハードタイヤでスタートしたのは「モンツァのようなリスク」を避けたかったから

レッドブルのマックス・フェルスタッペンが、F1アゼルバイジャンGPを完勝。前戦イタリアGPに続き、2連勝を成し遂げた。レッドブルのローレン・メキーズ代表によれば、この勝利はフェルスタッペンの頭脳が、大きな役割を果たしたという。

 イタリアGPでは、レッドブルの一部のメンバーが「もう少しダウンフォースの大きいリヤウイングを使った方がいい」と主張した。しかしフェルスタッペンはこれに異議を唱え、ダウンフォースを極端に減らしたセットアップにすることを主張し、これが正解。勝利へと繋がった。

 そしてその翌戦のアゼルバイジャンGPでも、フェルスタッペンがある主張をし、それが勝利に繋がった。その主張とは、今回はセッティングの面ではなく、戦略に関するモノだったようだ。

 フェルスタッペンはアゼルバイジャンGPの決勝レースを、ハードタイヤを履いてポールからスタートした。スタート時にハードタイヤを選択したのは、上位4台の中ではフェルスタッペンだけ。その他3台はミディアムタイヤを選び、5番手のジョージ・ラッセル(メルセデス)と6番手の角田裕毅(レッドブル)がハードタイヤを選択した。

 このハードタイヤを選択するという決断は、フェルスタッペンが主張したことだったという。

「土曜日の予選では、6回も赤旗が出た」

 そうメキーズ代表は語った。

「言うまでもなく、ここはセーフティカーが何度も出てきたという歴史がある。マックスは、セーフティカーが出るまで、ただひたすら走り続けるというレースになるだろうと考えていた。セーフティカーが出るまで、できるだけ長くステイアウトできるようにしたいと考えていたんだ。そうしなければ、誰かが(セーフティカー出動時に)順位を落とさずピットストップして、首位のポジション開け渡すことになってしまうからね」

「モンツァのようなリスクを避けたかった」

 上のグラフは、イタリアGP決勝レース中のトップ3台のギャップの推移をグラフ化したもの。ピットストップしたフェルスタッペンが、ノリスから大きく遅れたのがお分かりいただけるだろう。

 その後フェルスタッペンはハイペースで飛ばし、45周目の時点でそのギャップを10秒以下に縮めた。この時点で”SC出動”でライバルに首位を明け渡す脅威からは解放されたが、それまでの7周は、陣営にとっては冷や汗ものの7周であった。

 フェルスタッペンは今回のアゼルバイジャンGPでは、そういうリスクを最小限に抑えようとしたのだ。

 しかしハードタイヤを履いてスタートすることにも、当然リスクはある。ハードタイヤはミディアムタイヤよりもグリップ力が低く、その差で後続のマシンにオーバーテイクを許してしまう……そういう可能性もあったのだ。

「タダで手に入るモノはない。レーススタート時に、簡単に先頭のポジションを維持できるわけではないんだ。他にもリスクはある。10周目にセーフティカーが出たとしたら、ハードタイヤを履いてスタートしたドライバーたちにとっては、面白くないだろう」とメキーズ代表は語った。

 レース序盤にセーフティカーが出た場合、ミディアムタイヤを履いてスタートしたドライバーは、即座にピットインしてハードタイヤに履き替え、そのままチェッカーを目指すということもできた。しかしハードタイヤでスタートした場合、10周でミディアムに履き替え、残りの周回を走り切るのは簡単ではない。実際には、今回はミディアムタイヤのデグラデーション(性能劣化)も小さく、40周程度を走り切るのも不可能ではなかったが……。

 最終的にレッドブルが戦略を決める上で最も影響力を持ったのは、フェルスタッペンの意見だった。

「彼はマシンの持つペースを最大限に活かし、ハードタイヤで一気に逃げ切る……そういう明確な目標を心に描いていた。そして、まさにそれを実現したんだ」

 そうメキーズ代表は語る。

 メキーズ代表はフェルスタッペンのレースペースについて、ライバルよりも著しく優れていたわけではないと語った。

「ジョージ・ラッセル(メルセデス)と比べれば、比較的わかりやすいと思う」

 そうメキーズ代表は語った。

「差はおそらく、1周あたりコンマ2秒くらいだったと思う。それ以上の差はなかった。予選でも……Q3以外ではあるかもしれないが、全体の差はコンマ2秒ほどだった」

 こうして連勝を飾ったレッドブルとフェルスタッペン。しかし今後もマクラーレンのことを侮ってはいけないとメキーズ代表は強調した。

「マクラーレンのレースペースは、非常に読みにくい。彼らはフリーエアの中を走れなかったからね」とメキーズ代表は言う。

「金曜日の午前中と午後、そして土曜日の朝には、彼らが非常に良いペースで走っているのが分かった」

「レースペースが本当にどのくらいなのかは、おそらく永遠に分からないだろう。だから我々には、気を緩める余地なんてまったく無いのだ」

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