2025年12月9日から、松屋で「いくら丼」、「炙りマヨサーモン丼」、「炙りサーモンいくら丼」の販売が、期間限定で始まった。
「いくら丼」は2024年12月が初登場だが、「炙りマヨサーモン丼」と「炙りサーモンいくら丼」は今年の新作だそう。どのような仕上がりなのか、さっそく食べてみることに。
・3種
並の価格は「いくら丼」が1480円、「炙りマヨサーモン丼」が790円、そして「炙りサーモンいくら丼」が1430円。
トッピング的に「炙りサーモンいくら丼」を食べれば、新作全ての要であるイクラと炙りサーモンのクオリティを知ることができるだろう。
選ぶは「炙りサーモンいくら丼」。大盛はプラス500円で1930円。世間一般的に、この価格は “2000円” の扱いだろう。けっこういくな。今回は大盛を選択。
・炙り
ほどなくして出てきたのがこちら。
ビジュアルは良い。炙りサーモンの切り身は、9切れ乗っているように見える。公式HPの並の画像では6切れなので、そこがサーモンにおける並と大盛の差なのだろう。
1切れのサイズ感は、箸との対比で何となくわかるだろうか。そんなに大きくはないが、小さすぎるということもない。
ネギときざみ海苔はそこそこな量が添えられており、醤油とワサビは別容器で袋入りのものが提供される仕様。
一言に「炙り」と言っても、その程度は店によって幅広い。松屋の炙りは、本当に皮の部分の表面のみという感じ。
まずはイクラ部分のレビューから始めよう。1年前に「いくら丼」をレビューした際、私はいささか塩辛すぎるのではないかという感想を抱いた。
しかし今回のイクラには、そのような問題を感じなかった。味の濃さは完全に、客がどれだけ醤油をかけるかに依存している。
イクラにおけるこの改善は、実は2025年5月に店舗限定で再販された際に確認できており、私はそれを素晴らしい進歩だと思った。
恐らく私以外からも好評だったのだろう。今回のイクラの味付けの仕様は、限定販売時の仕様を踏襲している。
続いてはサーモンだ。まず「炙り」の部分だが、食べても加熱による食感および香りの変化はほとんど感じられない。
炙られた魚特有の香ばしさや、火が通った魚肉特有の食感を期待する人は物足りなさを感じる可能性がある。
このサーモンの武器は、極めてトゥルットゥルでちゅるんとした食感、そしてよく乗った脂なのだろう。
全体的にコッテリした味わいで、イクラを脇役にしかねない勢いがある。脂に変な臭みがないのもいい。サーモンの脂とクリーミーな味わいを好む人は、満足できる切り身だと思う。
というか、ちょっと待てよ? 今回の新作「炙りサーモンいくら丼」は、5月に店舗限定で販売された「サーモンいくら丼(大盛1980円)」と極めて似ているのではないか……?
イクラとサーモンのクオリティと味付けについては、半年前の記憶だよりではあるが、即座に言及できるような違いを思いつけない。
「サーモンいくら丼」でもサーモンは炙られていたし、その時もサーモンに「炙り」特有のキャラクター性のようなものは希薄だった。
実験的に販売した「サーモンいくら丼」をほぼそのままに、名称の「炙り」を強調し、何らかの理由で50円安くすることに成功したのが今回の「炙りサーモンいくら丼」なのかもしれない。
ということで、2025年冬の松屋のイクラとサーモン。5月の店舗限定版を食べていた人からすれば、サプライズの要素は少ないかもしれない。しかし50円安くなっているのは喜ばしいことだろう。
また、初出から確実に試行錯誤と改善が続けられていることが見えるのも好印象だ。良いのではないでしょうか。
