名称を考えるのをやめたとしか思えない名称の駅弁がある。
それはJR東京駅などで購入できる「出汁巻き玉子と黒毛和牛しぐれ煮弁当」。
その名の通り、出汁巻き玉子と黒毛和牛しぐれ煮が入っている。
一見「名称を考えるのをやめたとしか思えない名称の駅弁」ではあるが……。
実際に食べれば、そうではなく、駅弁の内容に自信があるからこそ、具材を名称としたのではないかと思えてくる。
出汁巻き玉子と、黒毛和牛しぐれ煮に、確固たる自信を感じるのだ。
まず、出汁巻き玉子、かなり極厚。
これ、出汁巻き玉子専門店で食べられる出汁巻き玉子に負けないハイクオリティなもの。
この出汁巻き玉子を食べつつ、ぎっしりと敷かれた黒毛和牛しぐれ煮を食べる。
奥深い甘味の出汁巻き玉子と、塩味と甘味と牛肉旨味が融合した黒毛和牛しぐれ煮の融合。
それをご飯でまとめて食べる。
至高。
そして、なにより感動した点。
それは、出汁巻き玉子の下に、ぎっしりと、ご飯が敷かれていた点。
昨今、具が多く入っているように見せかけ、実際の内容量は少ない弁当が存在する。
しかしこの駅弁は、その逆。
徹底的に、ご飯と具で弁当箱を埋めつくしている。
駅弁を買った人のことを徹底的に考えた、善意を強く感じる駅弁だ。
出汁巻き玉子と黒毛和牛しぐれ煮弁当はいいぞ。
(執筆者: クドウ秘境メシ)
