年間のべ約5億人が利用する近鉄電車。忘れ物センターには日々さまざまなものが届きます。行楽の秋、どんな忘れ物があったのか取材しました。
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大阪・鶴橋駅から徒歩3分ほどの場所にある「近鉄忘れ物センター」。およそ2万点の忘れ物が保管・管理され、多いときで1日に1000点以上が届くことも。なくしたものを探しに、一体どんな人たちがやってくるのか?2025年秋、センターをのぞいてみました。
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午後1時すぎ、窓口が開いてすぐにやってきたのは、韓国からのカップルです。スマホとメモを使ってセンターのスタッフに伝えた忘れ物は、彼女の「財布」。難波に向かう電車の中に忘れてしまったそうです。
財布はセンターに届いていて、中身も無事でした。「ありがとうございます!」と安堵の表情をみせる彼女。大事な財布をなくしてしまい、「悲しくて泣いてました」と心を痛めていただけに、見つかった喜びはひとしおのようです。
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午後2時ごろに現れたのは、通学中にパスケースを落としてしまったという高校生。「お父さんに買ってもらって、ずっと愛用していた」という大切なもの。警察から連絡があり、ここに保管されていることがわかったそうです。
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パスケースは近鉄の観光特急「しまかぜ」の車両がデザインされていて、鉄道好きの彼のため、小1のころに父親がプレゼントしてくれたといいます。戻ってきたパスケースを手に「ずっと使い続けます!もうボロボロになるまで」と嬉しそうな表情を浮かべます。
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続いてやってきた21歳の男性は、落としたイヤホンケースを受け取りに、奈良の橿原市から大阪へ。ズボンのポケットに穴があいていて、イヤホンケースが落ちてしまったそう。センターの外では彼女が待ってくれていますが、「服を買いに行くって彼女には言ってるんですけど、これが目的でした」と忘れ物をとりに来たことは伝えていないようで。
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忘れ物が無事に戻り、事情を打ち明けると、「どういうこと?」と思わず笑ってしまう彼女。付き合って2年になる2人ですが、出会いのきっかけは、彼女が車をぶつけて彼の家の「塀を壊しちゃった」こと、と何ともドラマチックなエピソードを教えてくれました。
【動画】忘れ物で一番多いのは「傘」。「鍋」や「骨壺」、「クワガタ」といった珍しいものもセンターに届きます。
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今年、特に増えたのが「大阪・関西万博」に関する忘れ物。折りたたみの椅子や万博関連の商品が目立つようになったといいます。センターを訪れた20歳の大学生が電車にうっかり置き忘れたというのが水筒。この水筒を持って、万博に通ったそうです。
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「20回は行ってるんじゃないかな」というほど何度も訪れた万博。「交通費と入場料だけで世界旅行できるっていうのが一番の魅力でしたね」と話してくれました。
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夜になってもセンターには忘れ物をとりに来る人たちがやってきます。スイスから観光で日本に来たという男性は、パスポートも入っているリュックサックを電車の中にそのまま忘れてきてしまったそう。
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ほどなく見つかったリュックに嬉しそうな様子。実は以前、日本で働いていたことがあるという男性。電車の中での落とし物なら、きっと見つかると信じていたようです。
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次にやってきたのは、中学3年生の娘さんとお父さん。娘さんがなくしたのは英語の単語帳。翌日に英検のテストがあり、電車の中で勉強していてつい置き忘れてしまったようです。
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単語帳は見つかり、「取り戻せてよかった」とホッとした様子の娘さん。お父さんは「自分が中3のときなんてずっと遊び倒してた」「それに比べたら全然しっかりしてる」と勉強にまい進する娘さんに感心しているようでした。
「近鉄忘れ物センター」にやってくる人の人間模様は、11月12日(火)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。

