●EOS買い替え波の正体
――Windows 10 EOSはどんなインパクトを与えましたか。
三島シニアマネージャー(以下、敬称略) 前年同期比で200%、週によっては240%まで伸びた週もあり、土日に販売台数が3~3.4倍という現象が実際に起きました。買い替えの波は3月ごろから顕在化し、ピークが10月上旬でした。A4ノートのような15~16インチのスタンダードモデルがボリュームゾーンでした。
趙部長(以下、敬称略) 今、市場は一旦フラット化して落ち着いています。ただ、日本のPC買い替えサイクルは5~7年が一般的で、EOSによる強制的な買い替え需要とは別に、今後もWindows 11への移行、そして「AI PC」への移行が続くとみています。
――Windows 10 EOS後のサポート体制とユーザーへの啓発は?
三島 サポート終了を明確にアピールし、移行の必要性を伝え続けています。店頭とオンラインの両方でセキュリティーとデータ移行の不安に寄り添う説明を強化することに加えて、実機でAI機能の役立つ瞬間を体験してもらう環境を整えています。
●AI PCは「パーソナルツイン」 見えない手間を消す
――その中で重視する製品・シリーズは?
三島 日本では依然としてスタンダードモデルが強い。キーボードにテンキーが付いたり、光学ドライブがあるような身近な機能を持つモデルが市場の5~6割を占めています。一方で、AI PCは「どう役立つのか」を実体験で伝えることがカギですね。
趙 「AI PC=パーソナルツイン」という考え方を浸透させたい。チャットではなくハードウェアが見えない手間を解消する、例えば長時間バッテリー運用や、ハードウェア・リコール機能で消えたデータを呼び戻すなど、日常の困りごとを解決する価値を前面に押し出していきたいと考えています。

