バルテリ・ボッタスは2026年のF1復帰に向け、キャデラックF1ドライバーとしての初日を終えた。
246回のグランプリ出場と67回の表彰台獲得を誇るベテランであるボッタスは、今年はメルセデスのリザーブドライバーとして古巣に戻ったが、2026年のF1新時代に向けて新規参戦するキャデラックと契約した。
これまでは、メルセデスとの契約があったためキャデラックでの仕事はできなかったが、先日のアブダビGPで2025年シーズンが終了したことで、ボッタスは新天地で作業を早速開始した。
キャデラックはクリスマス前までにマシンの初始動を行ない、公式プレシーズンテストを前にシェイクダウンを済ませるという、タイトな予定を立てているが、ボッタスも早速シート合わせなど走行に向けた準備を進めた。
キャデラックが公開した画像では、ボッタスが真っ黒なレーシングスーツとヘルメットで、カーボン地のモノコックに収まっているが、ボッタスの頭上のインダクションボックス付近がモザイク処理されていることから、まさにキャデラックF1の初号機に乗っている様子なのだろうということがうかがえる。
「ついにキャデラックF1チームのドライバーとしてスタートできることに興奮している」とボッタスは語った。
「このスポーツでの旅をスタートさせたチームと共にグリッドに戻り、新たな章の始まりを迎えることは、僕のキャリアにとって誇らしい瞬間だ。これから多くの努力が待ち受けているが、チームに正式に加わった今、これまでの経験を活かしてチームに貢献したいと思っている」
「新チームとして初めてすべてがうまくまとまっていくのを見るのは特別な体験で、プロジェクトの勢いを実感させられる。こうした瞬間こそが最初のテストに向けての準備の第一歩なので、しっかりと準備をすることが重要だ。シーズンが始まって再びレースに出るのが待ちきれない」
チーム代表のグレアム・ロードンは次のように付け加えた。
「ついにバルテリがチームに加わり、チームに溶け込むことができて本当に嬉しい。我々は長い間準備を進めてきたので、サーキットデビューシーズンを前にこのような瞬間を迎えることができ、本当に光栄だ」
「チーム全員が成し遂げたすべての仕事に誇りを感じている。F1は世界最高のチームスポーツだ。こういう時こそ、我々が持つスキル、才能、そして専門知識、そしてバルテリのような才能がいかにチームに馴染むかが分かるのだ」
キャデラックは先月、エンジンサプライヤーであるフェラーリのマシン”SF-23”を借り受けてイモラでテストを実施。F1マシンの運用をするための経験を積み、課題の洗い出しを行なった。このテストにはボッタスのチームメイト、セルジオ・ペレスが参加した。
これまではメルセデスでの立場により、そうしたテストにも参加できなかったボッタスだが、これからはベテランふたりの力でキャデラックF1チームの船出を支えることになる。

