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復活する『炎のチャレンジャー』が視聴者参加型でないワケ 元・参加者だった筆者が現場で聞いた「本音」

復活する『炎のチャレンジャー』が視聴者参加型でないワケ 元・参加者だった筆者が現場で聞いた「本音」


南原清隆&菊池風磨のタッグが発表された『炎のチャレンジャー』特番 (C)テレビ朝日

【画像】「えっ、こんなのあったんだ」「持ってた」 これが『炎のチャレンジャー』を原作とした「イライラ棒」製品です(4枚)

番組参加がきっかけで「外部スタッフ」になり、制作現場へ

 1995年10月から2000年3月にレギュラー放送されていた人気バラエティ番組『ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー これができたら100万円!!』(以下、炎のチャレンジャー)が、2026年1月12日にスペシャル番組として25年ぶりに復活を果たすことが分かりました。同番組を懐かしく思う人も多いのではないでしょうか。

 しかも以前の賞金は100万円だったのが、今回の特番では1000万円だそうです。この金額アップの話を聞いて、かつて番組に参加した人のなかには、今回もチャレンジしてみたいと思う人もいることでしょう。かくいう筆者も「アニメキャラクター100問 連続正解できたら100万円」をクリアして、当時は賞金を手にしたことがありました。

 しかし、今回の発表ではどうやら参加するのは芸能人のみのようです。一般参加者の応募はされていません。そういえば20世紀の頃に比べて、最近では一般参加者を募集するクイズ・バラエティ番組は明らかに減りました。それはなぜでしょうか。

 筆者は、この謎に関して心当たりがあります。かなり以前の話になりますが、前述の『炎チャレ』放送時くらいの体験から得たものでした。筆者はこの時期に他の視聴者参加型番組にも出場経験があり、その縁から問題作成者、サブスタッフのような形で別の番組制作に関わったことがあります。

 現場のTVスタッフはアニメやマンガに詳しいわけではありません。こうした特異なジャンルは、詳しい人間に外部発注するのが定番だったそうです。何しろ20世紀の頃はネットで簡単に検索というわけにもいきません。そのため、どうしてもジャンルごとに専門家が必要だったわけです。

 そうして入った現場で、筆者はTV業界の本音を聞いたことがありました。それこそが近年、視聴者参加型番組が減った要因なのかもしれません。

「視聴者参加型番組」が激減した理由にも? 制作関係者の「本音」

 TV関係者の漏らした本音。それは「一般参加者はリアクションが薄い」「面白い画面が作りづらい」というものでした。そういう点から、どうしてもリアクションが上手な芸人が使いやすいと聞いたことがあります。

 これに関して筆者もうすうす感じていました。自分が番組に参加する際は、わざとリアクション過多な行動を取ったものです。そこが気に入られ、その後にスタッフとして仕事を振られたのかもしれません。

 さらにいうと、90年代は芸人が増えてきた時期です。つまり一般視聴者と同じくらいの規模で芸人も選択できる状態にありました。こうなるとTV関係者の期待するようなリアクションができ、画面映えを意識する芸人が重宝されるというわけでしょう。

 もちろん、一般参加者にしかできない画面もいくつかあります。特に努力や感動といった部分は素人ならではの味があるものでしょう。いわゆる「演出のない」ドラマティックな展開というものです。

 もっとも、最近ではそこを芸能人が担うことも少なくありません。前述の通り、強弱のあるリアクションができる分、演技力のある人間の方が使いやすいというわけです。そうして、徐々に演技のできる芸能人がTV番組をにぎわせる役目を担うようになったのかもしれません。

 一方、最近ではTV出演ではなく動画配信という方法で人前に出る人も増えています。もちろん動画配信においても芸人たちが活躍していますが、手軽に始められるという点では、昭和・平成の頃のTV出演よりもハードルは下がっているのかもしれません。人前で目立ちたい程度なら、現代の方がたやすいわけです。

 ただ、これは筆者の体験談になりますが、視聴者参加番組の一般出演者どうしが控室で交流し、そこから親しくなることもありました。そういう点から、視聴者参加型番組でしか得られないものもあったと思います。それゆえに「視聴者参加」が少なくなるのは寂しいものではないでしょうか。

配信元: マグミクス

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