岩佐歩夢が鈴鹿サーキットにヘリコプターで降り立ち、スーパーフォーミュラのテストに参加したことが話題となっている。しかしそのヘリコプターのチャーター代は、岩佐の自腹だったという。
当初は12月11日のみスーパーフォーミュラのテストに参加する予定だった岩佐。そもそも9日にはアブダビで行なわれていたF1の合同テストに参加し、レッドブルのF1マシンを走らせていたため、普通に考えれば11日の朝から走行するとしても非常にタイトなスケジュールだ。
しかし岩佐は普通ではなかった。
F1テスト終了後にすぐ空港へ向かい飛行機に搭乗すると、10日の午前中に成田空港に到着。そこからヘリコプターに乗り、空路鈴鹿サーキットへ。そして到着すると即座にスーパーフォーミュラのマシンに乗り込み、周回を重ねた。
整理すると、アブダビでF1を走らせた翌日に、鈴鹿でスーパーフォーミュラを駆ったのだ。本人も「ここまでタイトなスケジュールだったことは、今までなかった」というほどだったが、それができなければ「プロじゃない」と言い切るところに、岩佐の凄さが感じられる。
なおTEAM MUGENの広報担当者によれば、そもそも岩佐は、10日の夜に鈴鹿サーキットで行なわれるアワード授賞式に間に合うよう、移動する予定を立てていたという。それなら、成田空港から鉄道移動で十分に間に合う。しかし岩佐は、「それならば、午後のセッションを少しでも走りたい」とリクエスト。そこでチームが走行に間に合う移動手段として、ヘリコプターを手配したということだったようだ。
問題はその料金だ。簡易的に検索すると、その料金は50〜100万円程度はかかると思われる。
TEAM MUGENによれば契約により、ヘリコプターの料金は岩佐の自腹だったという。それを支払ってまでこの日スーパーフォーミュラに乗ろうとした……さすがチャンピオンだ。
「来年に関しては何も言えません」
岩佐はそう言うが、どんなカテゴリーに参戦したとしても、その強い思いが好結果を手繰り寄せるだろう……そう思わせるエピソードであった。

