レッドブルのマックス・フェルスタッペンと担当レースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼの黄金コンビが、解消される可能性があるようだ。
フェルスタッペンは、2025年シーズンをランキング2位で終え、チャンピオンを獲得したマクラーレンのランド・ノリスにわずか2ポイント届かなかった。
シーズン序盤はパフォーマンスの低迷から苦しい週末が続いたフェルスタッペンだが、後半から一気に追い上げ、一時は100ポイント以上あったランキングトップとの差を詰め寄って、歴史的な5連覇を成し遂げるまであと一歩まで復活した。
そんな波乱のシーズン最終戦アブダビGPで、レース後にフェルスタッペンのレースエンジニアを務めるランビアーゼが、ピットウォールで酷く落胆している姿が中継に映された。
ランビアーゼは今シーズン、プライベートな事情があり、特に困難な年だったようだ。これによってオーストリアGPとベルギーGPを欠場することになり、当時はサイモン・レニーがフェルスタッペンのレースエンジニアの代役を務めていた。
また、そうした背景があるため、ランビアーゼの来シーズンにおける具体的な役割はまだ確定していないようだ。チームがフェルスタッペンに適したレースエンジニアと、関係者全員が納得できる体制を見い出せた場合、ランビアーゼはレースエンジニアとしての役職から一歩退き、依然としてトラックサイドでの職務ではあるものの、より上級職に就く可能性がある。
チーム関係者は「決定は一切下されていない」と強調し、現状を踏まえ「この困難な時期に急いで判断を下すのは賢明ではない」と述べた。
ランビアーゼの心情について、フェルスタッペンはレース直後、次のように語った。
「感情的になってしまう1年だった。今年の結果はさておき、詳細は語らないが、本当に厳しい状況だった。それでも、これほど情熱的な人物と働けることを心から嬉しく思う。彼は私のレースエンジニアだが、友人でもある。共に数多くの感情的な出来事と素晴らしい成果を経験してきた」
「チェッカーフラッグ後、彼も少し感情的になっていたと思う。だからここを離れて彼とゆっくり話せるのを本当に楽しみにしている。彼にとって厳しい時期もあったからね。これほど優秀な人物と働けることをただただ誇りに思う。今シーズン、困難な時期さえも決して諦めなかった、まさに模範となる人物だ」
ランビアーゼは、フェルスタッペンが2016年のスペインGPで当時のトロ・ロッソ(現レーシングブルズ)からレッドブル昇格を果たした最初のレースから共にタッグを組み、黄金コンビとして知られている。
激闘の2021年を戦い抜いたのちに、2024年までの4連覇を共にしてきた戦友として、苦しい2025年も乗り越えてきた存在だ。ランビアーゼ自身、今シーズンがフェルスタッペンとタッグを組むのが最後であることをわかっているからこそ、僅差でチャンピオンシップを逃したことに対して、レース直後に感情が込み上げてきたのかもしれない。
レッドブルは、長きにわたってレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めると共に、同社のジュニアプログラムの責任者という重責を担ってきたヘルムート・マルコが今季限りで退任すると発表したばかり。果たして、さらなる体制変更が待っているのだろうか。

