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任天堂に聞いてみた!Nintendo Switch 2『Drag x Drive』のアレコレ。マウス操作で車いすを操る新感覚スポーツゲームはどのようにして生まれた?

任天堂に聞いてみた!Nintendo Switch 2『Drag x Drive』のアレコレ。マウス操作で車いすを操る新感覚スポーツゲームはどのようにして生まれた?

車いすや車いすバスケを研究して開発!

――『Drag x Drive』はどのようなきっかけで生まれたのでしょうか?

任天堂:新しいものをつくるための試作チームでさまざまな検証をおこなっているなか、Nintendo Switch 2 のマウス機能を使って車輪を動かす遊びが生まれたことがきっかけです。

――企画発案時、インスピレーションを得たものはありますか?

任天堂:操作の発案者が、両手に持ったJoy-Con 2 のマウスを前後に動かし、それに合わせて振動をつけてみたところ、学生時代に研究で実際の車いすを操作した時の感覚を思い出し、車いすをモチーフとすることにしました。

――競技やフィールド、ルール等の開発を進める中で参考にしたものを教えてください。

任天堂:車いすの図鑑や車いす競技の選手の動画・エッセイ、バスケットボールや車いすを題材にした漫画などの資料を集めて車いすバスケに関する知識を学んだり、車いすバスケットボールの体験会やストリートバスケットボールの試合に足を運んだりして研究を重ねました。また、実際に日常用の車いすと競技用の車いすを購入し、実際に車いすを操作する感覚を確かめながら開発していました。
パークに集まって、入れ代わり立ち代わりチームを組み替えながらプレイするスタイルは、ストリートバスケからインスピレーションを得ています。

――開発する中で特に重要視していた軸はありますか?

任天堂:遊びの没入感を高めるために、操作の「アナログ感」を大事にしました。
マウスで車輪を回す操作をはじめ、プレイヤーの物理的な動きと、ゲームの中のキャラクターの挙動を直接的に結び付けることで、リアルな操作感を作っています。
ティルティングやバニーホップといった技もマウス操作と連動させ、ダンクシュートはハーフパイプからちょうどいい角度と勢いで飛び出し、リングに近づいてからJoy-Con 2 を振ることで成功するようにして、本当に自分がダンクシュートしているような感覚に近づけるようにしました。
こうした工夫を積み重ねて、練習して上達する過程が楽しさにつながる、深い没入感のあるゲームを目指しました。

トリックは何回でも練習することができる

――開発する中で苦労した点を教えてください。

任天堂:開発チームには車いすバスケの競技経験者がいなかったので、自分たちで体験会に出向くなど、情報収集や研究は重ねていましたが、実際に車いすバスケの競技経験者がどのような感想を持たれるかは不安を持っていました。
そこで、社外の競技経験者にご協力をいただき、開発中のものを遊んでいただいたところ、とても良い反応をいただけたので、その後の開発に向けて大きな自信になりました。

――スケートボードの要素を入れた経緯を教えてください。

任天堂:スケートボード要素であるハーフパイプは、そもそもは車輪の操作に慣れていないとすぐにコートから飛び出してしまうのを防ぐために、自然とコートの中に戻れる仕掛けとして追加したのですが、結果としてハーフパイプを使ってスケートボードや車いすモトクロスのようなトリックで遊べるようになりました。

――ズボンの上からでもコントローラーの操作を可能にしたことで、タイヤの操作をより直感的に行うことが可能になっているように感じます。ズボンの上でもコントローラーの操作を可能にした理由を教えてください。

任天堂:ゲームを遊ぶ環境にいつもテーブルがあるとは限りませんので、Nintendo Switch 2 自体、ズボンの上でマウスを操作することも想定して設計されているのですが、この操作が『Drag x Drive』と相性が良いため、テーブルを使った操作と併せて推奨しています。マウスを前後にスムーズに動かすには、手の位置を肘より低くすることがポイントなのですが、ズボンの上で操作すると自然とその姿勢を取りやすくなることも推奨する理由の一つです。

ズボンの上で操作することでも直感的な操作が可能に

ゲームやスポーツが苦手でも楽しめる可能性を秘めている『Drag x Drive』

――『Drag x Drive』をどういうユーザーに楽しんでほしいですか?

任天堂:ゲームが好きな方、スポーツが好きな方に楽しんでいただきたいのはもちろんですが、ゲームやスポーツが苦手な方にも楽しんでいただきたいです。直感的で今までにない新しい操作なので、誰もが同じスタートラインから遊ぶことができると思います。

――『Drag x Drive』をプレイする中でユーザーに感じてほしいことはありますか?

任天堂:練習してうまくなっていく楽しさを感じていただきたいです。
最初は慣れが必要なのですが、それこそスポーツのように、日ごとに上達していく感覚を味わっていただけると思います。

――ソフトをプレイしたユーザーからの声で意外に感じた声があれば教えてください。

任天堂: Nintendo Switch 2 と対応ソフトの体験会があり、そこで『Drag x Drive』をお客さまに遊んでいただく機会がありました。そこであまりにも上手なお二人組がいました。インタビューしてみたところ、おひとりは「アクションゲームが得意だ」と答え、もうひとりは「アクションゲームが苦手だ」と回答されたんです。でもすごくお上手だったので理由を聞いてみたところ「マウスは毎日会社で使っているからかなあ」とおっしゃっていました。それを聞いて、『Drag x Drive』はゲームが苦手な方やスポーツが苦手な方にも楽しく遊んでいただける可能性があると感じました。

また、本作の体験会ではご案内の都合上、初対面の3人でチームを組んで試合をしていただくこともありましたが、試合後にはお互いに「ありがとうございました」と言い合うお客様の姿も印象的でした。

そして、この光景は体験会だけではなく、オンライン対戦でも、初めて一緒に戦った味方とハイタッチで喜び合ったり、敵チームと称え合ったりする場面が見られます。相手の姿は見えませんが、画面の向こうで実際に手を振っている姿を想像すると、嬉しくなりますし、開発冥利に尽きます。

勝負の中でもフレンドリーな体験を楽しめるのは、『Drag x Drive』ならではかと思います。ぜひいろんな方に手に取って遊んでみていただきたいです。

12月14日(日)にオンラインで参加できるゲーム内イベント「Park King Challenge」の開催も決まり、さらに盛り上がりを見せる『Drag x Drive』。今回は車いすバスケや車いすラグビー等の要素が含まれたゲームとなっているが、他の車いすスポーツやパラスポーツのゲームが登場する日も来るかもしれない。ゲームは楽しさをもたらしてくれるだけでなく、題材となったものと出会うきっかけにもなる。『Drag x Drive』のようなゲームが、今後パラスポーツとの出会いのきっかけのひとつになっていくのではないだろうか。

『Drag x Drive』公式サイト
https://www.nintendo.com/jp/games/switch2/aaaqa/

edited by TEAM P
写真提供:任天堂株式会社
ⓒ Nintendo

配信元: パラサポWEB

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