絶大な信頼があるキャプテンのようだ。
12月10日に行なわれた「第102回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)」のトークバトルに國学院大の前田康弘監督が登壇。自チームの強みに主将の上原琉翔(4年生)を挙げた。
北山高から同大に入学した上原は、1年次から箱根駅伝に出場。2年以降は“大学3大駅伝”と称されている「出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)」「秩父宮賜杯 全日本大学駅伝対校選手権大会(全日本大学駅伝)」にも出場。昨年11月の全日本大学駅伝、今年10月の出雲駅伝では、ともに最長区間のアンカーを務め、優勝のゴールテープを切った。
日の丸を背負った経験もあり、今年7月のワールドユニバーシティゲームズではハーフマラソンで銅メダルを獲得した。高い競技力に定評のあるチームの主要ランナーを、前田監督は「人格も素晴らしい」と紹介。「私は10年以上監督をやっていますが、ここまで仲間に慕われる、リスペクトされている主将は見たことがない」とし、こう続けた。
「それだけ素晴らしい人間性があります。大きな舵取りは私がしますが、例えば練習メニューとか合宿地を決めるとか、チームをまとめるのはすべて上原に任せています。上原の存在が、今年のチームの最大のキーであり、最大のストロングポイントだと思います。上原のことを嫌いな同級生も後輩もいませんので、上原の愛というか人間性が、今のチームのシンボル的になっています。彼の走りも、もちろん大事なんですけど、ここまでの貢献度は相当なものがあると思います」
指揮官が絶賛する“人間力”はチーム外でも発揮されている。ワールドユニバーシティゲームズに同行した神奈川大の元監督で関東学生陸上競技連盟副会長の大後栄治氏は上原について、「リーダーシップを取ってくれるんですよ。日本代表の選手となってしっかり戦ってくれて、チームの雰囲気を和ませてくれるような存在でした」と振り返った。
出雲駅伝と全日本大学駅伝の優勝経験はあるものの、箱根制覇はまだない國学院大。監督、仲間から全幅の信頼が寄せられる主将のもと、初制覇を目指す。
取材・文●野口一郎(THE DIGEST編集部)
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